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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
3rd episode 学年別対戦─トーナメント─
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学年別トーナメント─一年生最強決定戦─

翌日。いつもとは空気が違った。と、いうのも



「え~……非常に伝えづらいのですが……シド選手対モブC選手、キヨ選手対モブJ選手の試合なんですが……モブC選手、モブJ選手が棄権を申し込んだ為……シド選手、キヨ選手の決勝進出が決まりました……」



キヨとシドのSクラス代表二名の決勝進出が確定したことが原因だ。



Sクラス代表にして、特待生でもある二人の対決だ。両者とも、圧倒的な実力者であることも一枚噛んでいるかもしれない。



審判は、またもやサカタ先生。



「あ~……まぁ何となく予想はしてた……まぁ無理しない程度に頑張れ」



サカタ先生はシド、キヨ共に構えたのを見て、試合開始の合図をする。



「決勝戦、開始!」

「【ダークランス】」

「【アクアランス】」



刹那、二つの槍が衝突する。キヨはその場で身体強化を施し、機械剣を構える。対して、シドは更に魔法を放った。



「【ダークインパクト】!!」



闇の上級魔法【ダークインパクト】。闇の魔力が、空間へと侵食し、空気と溶け込む。そして、衝撃となってキヨへと襲いかかる。



「なっ!?【エアスラッシュ】!!……っ!?」



空気による斬撃を放つことで、【ダークインパクト】による衝撃波を切り裂き、被害を最小限に止めるよう努める。が、僅かながらキヨに衝撃波が到達した。



(くそっ!魔力の密度が違い過ぎる!!どうする……)



考える間もなく、シドが攻撃してくる。得物は槍のようだった。が、ポップルの時のようにいなすことができない。



シドは腕と目、足に部分強化をしていた。更に、



(切っ先に魔力を乗せてんのか!?)



切っ先に魔力を乗せることで、一撃の威力を底上げしていた。対してキヨは、まだ身体強化のみ。どんどんリングの端へと追い込まれていく。



(マズイ……このままじゃ……)

「【アクアウォール】!!」



シドの足元から水の壁を展開する。シドはバックステップで距離を取った。なんとか、危険を遠ざけたキヨ。



「はぁ……はぁ……」

(中級魔法一発に、初級魔法二発……まだ魔力はある。落ち着け……落ち着いてアイツの癖か弱点を見つけるんだ……)



呼吸を落ち着かせ、【アクアウォール】を解除する。解除する前に、目、手足に部分強化を施す。因みに、キヨはまだ武器に魔力を纏わせることはできない。



「……思ったよりも、いい動きだね。キヨ・アルケム。さっきの【アクアウォール】を使ったのも、判断は正しかったし、今も部分強化をしてるのも、合格だよ」



「あっそ……」



笑顔のシドによる、状況判断は完璧だった。ぱっと見では分からないであろう部分強化を見抜き、キヨの判断にも感心している。



(こいつ……並じゃないとは思ってたけど……化け物だな……)



チラリと、キヨの頭によぎったのは、敗北。シドとキヨでは地力が違う。さながら、キヨが行ったような、ポップルの時のような試合になる……と。



「さて、キヨ・アルケム……君はいつまで持つかな?楽しませてくれよな?」



ゾクッと、キヨの背筋に悪寒が走る。反射的に、体を横に投げ出す。一瞬の間をおいて



「あ!避けられた~」



魔法が撃ち込まれた。闇の中級魔法【ダークレイ】。魔法の中でも高速である【レイ】シリーズの一つだ。最も、闇、光、混沌、雷の四属性にしかないが。



「ちっ!【アクアボール】!!!」



キヨは【アクアボール】を周囲に適当に放つ。どれもシドには当たらない。いや、当てていない、というのが正しいのだが。



「?……何をしているのかな?」



「答えるとでも?」



笑顔のシドに、険しい顔のキヨが話す。が、聞いてきたわりには興味はなさそうだ。



「まぁ、何でもいいんだけどね。頑張って?」



そして再び猛攻が始まる。

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