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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
3rd episode 学年別対戦─トーナメント─
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学年別トーナメント2

「さてさて、両者の紹介も済んだところで、試合をはじめてもらいましょう!」



解説の声を合図に、審判の先生……モブ・セマカ(Aクラス担任)が合図する。



「両者構え!……はじめ!」



その声と共に、モブBが魔法を放つ。



「【ファイアボール】!」



炎の初級魔法【ファイアボール】。複数の炎球が、キヨの回りに着弾する。しかし、



「甘い」



キヨは様子見だと見抜き、【エアリアルホップ】を使って接近していた。そして、モブBの胸ぐらを掴む。



「【エアリアルホップ】!」



キヨは、自身とモブBの間に【エアリアルホップ】を設置。モブBを引き寄せる。当然、【エアリアルホップ】が発動し、モブBはリング外へと吹き飛ばされた。



「ちっ……勝者、キヨ・アルケム」



審判のモブ先生は、つまらなそうに勝利宣言をする。また会場にどよめきが走る。



「おい、あいつ……」

「あ、あぁ……すげぇな……」

「な、なんだあれ……あいつの使った魔法って確か……」

「風の中級魔法よ?あれ……しかも使い勝手の悪いやつ……」

「あの、シドって奴も大概だけど、キヨって奴もヤバいな」



そんな声を聞き流し、キヨは席に座る。



「な……な……なんと!あっという間に倒してしまったーっ!!キヨ選手、たった一つの魔法を二回使っただけで二回戦進出だぁーっ!!!しかもしかも、風の中級魔法【エアリアルホップ】という、使い勝手の悪いことで知られている魔法でだーっ!!!」



(……長い……)



と、キヨが思っていると何やら動きがあった。



「あのキヨって選手はいったい……えぇ……はい……すみません、すみません……はい……え~……すみません、少しハシャギすぎました。次の選手の紹介です!」



上から雷(という名の説教)が落ちたらしい。



モブEとモブJの戦いは特に印象にも残らなかったので割愛。



ここからは二年生の一回戦で、一年生は半ば無理やり帰された。キヨは買い物をしたかったので、助かったと言わんばかりに帰った。



「さて、明日の相手はポップルか……あの様子なら余裕か……」



「ん?明日はポップルとかいう者か?……誰?」



「あぁ、ルニアの取り巻きだ」



「あぁ、あの中の一人か……」



料理の途中、キヨがポツリと呟くと、手伝いをしていたガルダスが質問してきた。適当に答えても、ガルダスには何となく通じていた。対ポップルの対策を考えようにも、地力が違い過ぎて対策のしようがないので、今日は早く寝ることにした。



──翌日──



「キヨだからって、手加減しないよ!」



「……」



ポキポキと、つまらなそうに関節をならしてる、完全にやる気のないキヨと、やる気満々のポップル。今日も解説は高いテンションだが、キヨは、もう聞き流していた。




今日の審判はサカタ先生。こちらもキヨと同じくやる気は感じられない。



「あ~……準備いいか~?良かったら手ぇあげろ~」



キヨはおもむろに手をあげる。ポップルはきちっとメリハリのある挙手だった。それを確認したサカタ先生が、開始の合図を出す。



「やぁ!!!えい!!!」



槍での刺突を、ダガーの切っ先を使って軌道をそらす。ポップル自身の力では、全くキヨには届かない。それは、身体強化をしても、だ。



「なら!【アースニードル】!!」



ポップルが土属性の中級魔法【アースニードル】を発動した。いくつもの土の針は、キヨの顔を目掛けて飛翔する。



「……【エアリアルホップ】」



それを、キヨは【エアリアルホップ】でななめ前へと急加速、移動してかわす。そして、キヨも攻撃へと転じる。



「【ウィンドランス】!!!【ウィンドボール】!!!」



風の中級魔法【ウィンドランス】、風の初級魔法【ウィンドボール】をポップルの周囲に放つ。先ずはポップルの視界を奪う。そして



「ケホッケホッ……見えない~!きゃっ!?」



それはポップルに足元を崩す為でもあった。声から体勢が崩れたと判断したキヨは、一気に駆け出す。



「【エアリアルホップ】」



そして、ポップルより少し手前で再び【エアリアルホップ】を使う。何故なら



「っ!?【アースウォール】!!」



視界を奪われた際に、相手のいる方向に防御魔法を展開するのは、一般論としてされている。視界を奪った相手は、攻撃魔法を撃つ、というのが普通だから。



ならば裏をかけばいい。キヨはポップルの防御魔法を予測済み。なので、その手前で【エアリアルホップ】を使って、ポップルの背後を取ったのだ。



「……【アクアニードル】、【ウィンドランス】……」



キヨはポップルの周囲に魔法を展開する。いつでも放てるようにした。そして、土埃が晴れる。



「……え!?」



慌てた様子のポップルには構わず、淡々とした口調で、告げる。



「もし動けば、魔法を放つ。怪我したくなきゃ、降参しろ。……俺はアイツと違って、容赦はしないからな?」



ここまで来れば、ポップルに選択の余地はない。ポップルが降参し、キヨの勝ちとなった。



因みに、シドvsモブBはシドが速攻で勝利。イツキvsモブCは、イツキが油断した所にモブCが上級魔法を叩き込み、モブCの勝利。モブJvsモブGは、モブJの勝利だった。

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