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苦悩する脇役
キヨはその頃──
「……はぁ~……」
「頼む!」
中庭で、マグナに土下座されていた。
「なんで俺がお前の修行に付き合わないといけないんだ?」
「え……だってキヨなら的確に問題点指摘してくれそうだし」
要は、修行の手伝いをしてほしいとのことだった。マグナは勢いでその場から駆け出したのだが、体術の修行なんて何をしたらいいか分からない。なら、指摘した本人に聞けばいい、という結論に至ったのだった。
「あ~……俺はそんなことやらん。じゃあな……帰る」
「頼む!キヨ!修行手伝ってくれ~!」
時間が14時になったため、キヨは足早にそこから立ち去る。マグナは完全に無視で。
(何だって俺があいつの修行手伝わないといけないんだよ……)
厄介なことになったな、とキヨは思った。どうやら、大会で上位に食い込めば成績が上がる、という情報をもとに選手を目指し、見事に選手となったわけだが。
成績よりも面倒なことの方が多そうだった。




