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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
3rd episode 学年別対戦─トーナメント─
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キヨの簡易指南

図書室に来たキヨ。そこには先客がいた。



「お、キヨじゃん!どうした~?」



マグナが、大量の魔術書を傍らに置いて、本を読んでいた。おおかた、使えそうな魔法でも探しているのだろう。



「……マグナか……何か使えそうな魔法はあったか?」



「いや全然……どうもピンッとくるのがなくてさぁ……」



机にだらしなく体を放り投げるマグナ。その様子に、なんとなく理由が分かったキヨは、その問題を指摘する。



「ぱっと見だけで決めるからだ……お前の戦い方から言えば……そうだな……下手に魔法を習得するよりも、部分強化、又は身体強化の訓練を優先した方がいいだろうな」



「は?」



「マグナ、お前は七大貴族だったな?つまり、元のポテンシャルが高いから、大抵の魔法は扱えるし、体術もある程度は修めてる。が、動きに無駄が多かった。なら話は簡単。体術に力を入れて、魔力消費を減らせるようにする」



「あ~……?」



どうやら、今いちわからないらしい。キヨはため息を吐いてから噛み砕いて説明する。



「つまり、体術のレベルを上げる。そうすると必然的に防御魔法なども使わなくなり、魔力消費を押さえられる。これで攻撃魔法をより使える。つまり、上級や最上級魔法もこれまで以上に放てるようになる。


それは、魔力の底上げにも繋がる。魔力量の上げ方は知っているだろ?それに、体術のレベルを上げることで、魔物との戦闘中にイレギュラーが現れた時にも、それに対応することが可能になる……」



かなり長いが、一つひとつを丁寧に話していくと、漸く理解できたらしい。



魔力量の底上げ。これは、筋トレと似ている。魔力は使えば使うほど、使用量の上限が伸びていく。魔力は、魔臓と呼ばれる臓器に貯められている。そこに、魔力は供給される。



空の魔臓は、魔力を急激に供給しようとする。すると、魔力の保有量以上に入る。その保有量以上に入った魔力は排出されてしまうが、排出される前、上限以上の魔力により、極々僅かだが魔臓が大きくなる。




結果、魔臓が大きくなり、使用できる魔力が増えるということだ。



「はぁ~……なるほど……サンキュー!!」



マグナは納得し、本を片付けてから図書室を出ていった。体術を鍛えにでもいったのだろうか。



キヨはキヨで、適当な小説を読んで時間を潰していた。内容は、勇者が魔王と戦っているようなものだ。因みに、今のところキヨ達の世界には魔王とかはいない。



時計を見ると、午前11時50分。小説を片付けてから、食堂へと向かう。



いつもは人混みが嫌いなので、学食の弁当を頼むキヨ。たまに購買でパンを買ったりもしているが。今日はゆっくりとしていられる(昼休みは12時半から)と踏んで、唐揚げ定食と野菜サラダを頼んだ。



この学食、何故か定食にサラダが付いていない。健康に気を使う学生くらいしか野菜サラダを頼まない。なぜ野菜サラダが付いていないかというと、下手にサラダを定食に付けて、残されたくない学食の方々が考えた案だ。



食事を終え、暫く休んでから食堂を出る。そろそろ昼休みの時間になり、食堂が混み始めるからだ。



キヨはとりあえず教室へと向かう。鞄だけでも回収しておこうと思ったからだ。

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