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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
3rd episode 学年別対戦─トーナメント─
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クラス代表決定戦

マグナ達が戦闘を始めた。キヨはそれを注意深く観察する。



(学生の動きはそれほど速くないな……まぁ、ルニアを最初に潰しにかかっているのはいい。マグナも悪くない動きだが、大きく避けすぎていて隙が目立つ……ルニアは魔法に頼りすぎている……体術はダメダメだな)



あらかた観察し終えたキヨは、ガルダスを生徒手帳から出す。



「?」

「ガルダス、あの試合の解説をするから、よく見ておけ。何れはお前が一人で戦う時が来るからな。その為にも今から準備しておく」



話を聞いたガルダスに、指を指したりして問題のあるものを教えていく。今後のガルダスの課題にもなることは、キヨから見れば明白だからだ。



そして、Aグループの試合が終わり、Bグループの試合が始まった。Aグループの勝者は、ルニアだった。



「ガルダス……この試合は……見なくていい」

「?何故だ?」



ガルダスは、キヨの言葉に首を傾げる。



「この試合、あの黒髪の男の勝ちだ。あいつだけ、魔力の練り……まぁ魔力の密度だ……それに、魔法の精度と威力、体術、すべて別格だ。他の生徒じゃ相手にすらならん。ガルダスのレベルだと、見てても参考にはならん」



キヨの視線の先には、シドの姿があった。彼こそ、その黒髪の男だ。



「さて……ガルダスはとりあえず生徒手帳に……そろそろ時間だからな……」



ガルダスを生徒手帳に戻して、キヨは軽い準備運動をする。といっても、体の筋肉をほぐす程度のものだが。



闘技場のリングに、サカタ先生と10名の生徒が集まる。改めてルールを確認。ある程度生徒の距離を取らせてから、サカタ先生が言葉を発する。



「じゃあいいか~?俺が合図したら開始だからな~?……全員用意はいいな?」



先生の声に、手をあげて答える。全員の用意が整ったことを確認したサカタ先生が、大声を出す。



「試合開始!!!」



キヨは自身の武器である機械剣二本を構える。と、同時に身体強化を使う。暫く様子を見ようとしていたが



「最初にキヨを潰せ!!」

「わかった!!」

「あいつは手を組んでも潰さねぇと、選手になれんからな!!」



9名の生徒が徒党を組んで、キヨに襲いかかってきた。



「……囲まれたら不味いな……なら!!」



手と足、目に普段より多くの魔力を流し、強化率を上げる。分かりやすく言えば、部分強化、だろう。



因みに、身体強化、部分強化はほとんど魔力消費はない。体の中の魔力を意識的にコントロールしているだけだからた。全く使わない訳ではないが。



強化を終えたキヨは、囲まれるより前に走り出す。目的は目についたある男子。得物はどうやら、剣(両手使用)のようだった。



左のタガーで軽く切りかかる。が、それは防がれた。その瞬間にキヨはその男子に加減なしの右足による蹴りを、鳩尾に叩き込む。



蹴りにより、リングから男子ほ落ちた。が、他の生徒はキヨを取り囲んだ。



「……【ウィンドエリア】……」



静かに魔法を行使する。キヨの使った魔法【ウィンドエリア】は、キヨのオリジナル魔法だ。最上級魔法の劣化バージョンだが。



【ウィンドエリア】は、半径3mの円状の空間把握が可能だ。分類で言えば中級魔法だろうか。属性は風だ。この魔法は、キヨの意思で範囲の増減も多少できる。



ここからは、キヨの独壇場だった。二本のタガーによる連撃や、不意に混ぜる足による一撃。



後ろからの攻撃も、魔法によって感知して避ける。しかも避けた先には他の生徒がいる。生徒たちからすれば、まさに混沌とした空間が完成した。



こんな状況を、キヨはいとも簡単に作り出した。自分を警戒している人間に囲まれた状態で、だ。

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