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SUPPORTING ACTOR - 天落の魔術学園 1st-  作者: MIST・CAT
1st episode 理由─ワケ─
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決闘

「くっ……ははは!そうかそうか。そうだよなぁ、特待生さんよぉ!なら、放課後にでも決闘を行おう……そうだな、確か学園が終わるのは12時……1時からだ!」



「いいよ、キヨは逃げないからね!」



ドヤ顔のルニアを見て、キヨは(マジ張り倒してぇ)と思ったらしい。ティーシャがキヨを陥れようとしたのも分かったので、(いつかどつき倒す)と誓ったという。



「あ~……お前もとんだ災難だな」



「おい教師。テメェは仕事しろ。何黙って見てやがった」



────

───

──



「え~……時間になりました。それでは両者、前に出てきてください」



午後1時、決闘の時間になった。さて、ここで少し整理していこう。決闘とは何か……基本的には学園内でしか使われない言葉であり、意味は言わずもがな。



勝てば、相手から望んだものを得られる。負ければ、相手の望んだものを差し出さなければならない。これはあくまでも入手できる程度に範囲は限られる。それに、望むものは一つだけという制約もある。



例えば命だっていい、許嫁でもいい。しかし、王族に代々引き継がれている王冠を貴族に要求しても、入手できないため、無効になる。



ルールとしてあるのは、


1、殺しはなし

2、どちらかが気絶又は戦意喪失、降参するまで続ける

3、リング内から出てはいけない

4、使い魔、武器の使用は双方の同意による


おおよそこんな所だ。



そして時間になったため、キヨはリングに上がる。キヨが周囲を見ると、Sクラスの人間だけでなく、上級生と思われる人影も多く見られる。



実は、この手の決闘は毎年あり、上級生たちは専ら、娯楽のような感覚で見ているのだ。希に、昼食で賭けをしている生徒もいたりする。



「審判は俺、サカタがする。え~と……使い魔、武器の使用はどうすんだ?」



「ふっ……平民、君が決めたまえ。僕はどちらでも構わないさ」



「……そうだな……使い魔だけ有りでやろう」



「そうかそうか、使い魔有りか!面白いことになりそうだ!」



そう言うと、サカタ先生のだるそうな目が僅かに開く。フォイは既に使い魔を出して、何やら指示を出している。



「……おい、キヨっつったか?お前、正気か?わざわざ不利になる条件で戦うなんて……」



「ご忠告どうも。ま、問題はないので……」



キヨは、サカタ先生の忠告を軽く受け流し、生徒手帳からガルダスを呼ぶ。



「うむ。中から話は聞いていたぞ。キヨ、大丈夫なのか?」



「問題ないっつったろ。作戦だ。先ずは──」



「それでは……え~……キヨ・アルケムとフォイ・マルによる決闘を行う。正々堂々と闘うように」



まるで覇気のない声で、サカタ先生。会場にいた一年生の多くが(((こんな先生で大丈夫か?)))と不安を露にしていた。



「んじゃ、お互いに準備出来たら俺に言え。その後、俺の合図で始めろ。合図は……『始め』でいいか……」



「ガル、さっきの作戦。いけるな?」

「うむ。大丈夫だ……しかし、そんな上手くいくのか?」



サカタ先生の声を聞きながら、フォイからある程度の距離を取りながら、キヨはガルダスと話す。キヨの立てた今回の作戦は、最初の立ち位置に鍵がある。



「俺たちは大丈夫です」

「こちらも、大丈夫だ」



キヨ、ガルダス二人に続き、サカタ先生に声をかけるフォイたち。双方からの声を聞き、サカタ先生は二組の生徒を見る。



「ん……じゃあ……死ぬなよ~……『始め』!!!」



「【ムシルド】!」



サカタ先生の合図と同時に、ガルの魔法が発動。それはちょうど、使い魔と人間を裂くように。



「なっ!?こんなものが!?」



フォイが驚いた声を出す。それも当然かもしれない。



──このデカイ会場を真っ二つにするような、壁を見てしまえば──



実際の所、壁じゃなくて盾なのだが。キヨの作戦もここまでは順調。次にやることは



「さてと、これで使い魔とのコンビネーションは取れないぜ?貴族様?」



挑発。上手く挑発に乗ってくれないかな~、と淡い期待と、この挑発に乗らないこと期待しつつ、作戦を進めていく。



「ふん、そんな挑発には乗らんさ」



(だろうな。まぁ、予想の範囲内だ。今の態度もろとも、な……)



「で?なんでお前は構えてないんだ?」



「先手はくれてやるよ、平民」



余裕。そう言えば格好はつくだろうが、キヨからすればこれは、油断、である。それなら、ここを突いていかない手はないだろうとキヨは動く。



「そうかよ、なら遠慮なく……【エアスラッシュ】!!!」

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