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とっかえっこ

作者: 催吐剤

「へえ、美衣子ちゃんおこづかいそんなにもらってるんだ」

「うん……絵意子ちゃんのウチは?」

「ウチ? ウチは全然だよケチだから。あーあ、いいなー美衣子ちゃん家」

「そんなことないよ」

「そんなことあるよ」

「そうかなあ」

「うん。いいなー、世の中不公平だよ!」

「うーん……」

「あー、お金欲しいなー、誰かくれないかなー。余ってる人とか誰かお金くれないのかなあ、ねえ美衣子ちゃん?」

「……でも、そんなに買いたいものあるの?」

「いっぱいあるよ! お正月が三日に一回あっても足りないくらいだよ?」

「あははは。そんなに?」

「うん……あ、そうだ」

「な……なに?」

「美衣子ちゃんのお父さんとお母さん私のととっかえてよ」

「え?」

「お願い。ウチのケチと美衣子ちゃんのお父さんお母さんをとっかえてよ」

「……」

「お願い」

「うんわかったじゃあとっかえようよ今すぐ」

「え」

「ほら早くすぐにとっかえようよ本当にとっかえてくれるんだよね? ね? ね? もう私あんなウチいやなの。だから早くとっかえようって。ねえ。良かったこれで私は死なないで済む本当に良かった。絵衣子ちゃん本当にとっかえてくれるんだよね? そしたら私は絵衣子ちゃんのウチの子になれるんだ。私もうあんなウチ二度と帰りたくないの。あそこは地獄だ思い出したくもないあんなウチもううんざりだいやなことがつらいことがいっぱい私もうたえられない私もう無理私もういやだ私もう帰りたくない私もう二度と帰りたくないいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ」

「……どうしたの美衣子ちゃん落ち着いて!」

「だいじょぶだよだいじょぶ、私は大丈夫。絵意子ちゃんがとっかえてくれるから大丈夫だよ。私は死なないし悪魔にも殺されない。本当に絵意子ちゃんのお父さんとお母さんと悪魔をとっかえてくれるんだよね絵意子ちゃん? 本当だよね絵意子ちゃん絵意子ちゃんは嘘つかないもんね約束守るもんね親友だもんね私と絵意子ちゃんは。だから早くとっかえようよ、ね? お願いとっかえて。お願い。お願いします。とっかえてください。お願いします私なんでもしますお金もいくらでも払います。だからお願いねえ絵意子ちゃんたすけて行かないで待って絵意子ちゃん行かないでよ待ってってば!」

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