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スヴァルはドローンたちの夢を見るか!?


スヴァルの思惑通り、酸素生成装置を積んだドローンたちが次々と発艦し、かつて自分を捕らえていた忌まわしき惑星へと突入していった。

なんとなく勿体無い気もするが、仕方がない。二度と戻ってこれないだろう。

これは片道切符の特攻作戦。


「彼らドローンたちの献身を・・私は忘れやしない!」



十数機のドローンたちは光の点となり、惑星大気の中へと消えていった・・と同時に酸素生成のプロセスが始まる。

そう、大気中の水分を酸素に変換するのだ。


「どうやら・・計画どおりだな」


艦橋室壁面に埋め込まれたモニターを見ながら、スヴァルは小さく頷く。

表示される数値は順調よく上昇を続け、惑星内での酸素濃度は着実に増加中・・うまくいっている。

だが、これは極めて危険な状態だ。火気厳禁! 



一方、相手側(ラアラ解放戦線) からの通信は依然として途絶えず・・"極秘指令2556"を連呼していた。

どうやら彼らは、まだこちらを味方だと思い込んでいるようだ。

その誤解は・・今は好都合!


-- -- -- -- -- -- -- -- -


モニターを見ながら、椅子に深く腰かけ、スヴァルは来たるべき破局を待つ!?

・・とはいえ、そんなに長く待つことはないであろう。

酸素生成装置は・・フルパワーで稼働中。

みるみるうちに惑星内の酸素量が増えていっている。


0.2%から1%へ、それから2% 4% 8%・・


そして・・・ついに始まった。こちら側の操作で火をつけたのではない。

自然発火だ! おそらく原因は雷であろう。




ガス惑星の表面に現れた一粒の小さな閃光。

これが全ての始まりだった。


その閃光は津波の如く、波紋のように惑星表面を赤く・赤く・染め上げていく。

これは壮大な爆炎! 酸素と水素が織り成す壮絶なダンス!


波紋は止まらない。止められない!

惑星をぐるりと覆い尽くし・・そして、全てを赤く燃え上がらせた。


ガス惑星の大気が炎に包まれる。まるで太陽のように・・


だが・・その時、その瞬間! 異変が起き始めた。


この惑星自体が縮小し始めたのだ! 小さくなり始めたのだ!

何が起きている!?


想定外の事態だ。ありえない現象だ! 



スヴァルはモニター越しから・・ある種の恐怖を覚えた。


「ぬっ!」


これは直観力・・・ESP!

この少女型有機媒体"ヴィラルノイド"を手に入れた時から得た・・不思議な直感力。

その直観力が警告を発している。命の危険性ありと・・・


謎すぎる能力だが・・信じずにはいられない。



同じく・・運用AIも異変を探知したようだ。モニター画面に様々な数値が羅列していく。

何かを計測したらしい。


『ニュートリノを大量観測』


これは何を意味しているのか!? それは惑星深部に核融合・・・


まさかのまさか!? 酸素を大量に垂れ流したせいで・・ガス惑星が太陽化!? 恒星化!?

もしや・・超新星爆発!?


そんなわけ、あるはずないだろ!

だが・・"ドキドキドキ"


スヴァルの鼓動が鳴り響く・・"バイオマトン" だったころでは体験できなかった心臓の鼓動。

振るえる手足・・冷や汗がじんわりと・・・


これは・・予感する。スヴァルの持つ能力・ESP!

次元を超えて伝え来る事象に自ら恐怖を感じている。


「まずい! 速力アップ、全速力をあげよ! あの惑星からできるだけ離れるのだ」



"ラアラ解放戦線"の航宙艦から・・できるだけ視線が通らないように注意はしていたが・・もはやそんな暇はなくなった。

全力をあげて離脱するのだ。



おそらく・・・あのガス惑星は爆発する。粉々となって破壊されるであろう。

スヴァルのESPが予感するのだ。



だが運用AIは、当然のように否定する。

酸素をバラまき火をつけただけで 惑星が破壊されるなど常識外! 疑似科学のファンタジー・・・


『破壊は考えられませんが・・主様(あるじさま)のご希望通り、フルパワーで加速しております』


そう、この航宙輸送艦"ネェイルン"は・・真っすぐ離脱を始めた。少しでも、わずかでも・・惑星から離れるのだ。


速く! より速く! 素早く!


青白いオーラを纏ったプラズマドライブが、驚異的な加速で虚空を突き進んだ。

秒速100kmから200km、400km、600km

そのスピードは天文単位的領域へと達していく。


だが、船内ではその加速を全く感じない。 それは重力安定装置の恩恵。

もしこの装置がなかったとしたら、自分はゴキブリのように押し潰されてしまっていただろう。




一方、ラアラ解放戦線側も異変に気づいたようだった。

5隻の航宙艦は即座に進路を変更し・・あのガス惑星から離れようと速度をあげる。

だが、遅かった!


みるみるうちに縮小していく巨大ガス惑星・・その限界を迎えた時、爆縮が始まったのだ。

そう・・それは惑星最後の輝き、滅びの閃光!


惑星を破壊するほどのエネルギーが、一挙に噴き出し全てを巻き込むがごとく広がっていく。


それは・・とてつもない高熱と衝撃波!

その宙域を赤く染め上げ、炎は激しく渦を巻きながら燃え盛る。


しかもその温度は・計測不可能! 太陽表面を遥かに超える数百倍の熱なのだ!


そして、その熱によって・・逃げる5隻の航宙艦(ラアラ解放戦線)は消滅したのであった。文字通りの蒸発! すべてが消え去った。


そんな光景をモニター越しで目撃したスヴァル


それは復讐だったのだろうか。それとも、スヴァル自身に迫る未来を映したものなのか・・・

複雑な感情が胸を締めつける。

それでも、自分を脅かす者たちの消滅は・・喜ぶべき出来事なのであった。



そう、邪魔者は消えた。しかし、本当の危機は消えていない。

全てを溶かす・・超高温の衝撃波が航宙輸送艦"ネェイルン"のすぐ後ろにまで迫ってきていた。


『プラズマフィールドを展開いたします』


運用AIの判断によって・・船体がまばゆい光に包まれる。

これは一種の防御システム・・・だが、この超高温の前で、どこまで耐えることができるのか!?



そう、すでに危機は迫っていた。

艦橋に響き渡る警告音・・モニターに表示される最悪の数値。

船体の壁面温度が急上昇しているのだ。


もちろん、その温度を防ぐため、冷却装置がフル稼働している。

だが、それでも抑えきれない。

温度上昇の勢いに、やがて冷却装置は押し負けてしまうであろう。


このままでは確実に死んでしまう! 

船内の熱が急上昇し、いずれ湯でタコ状態に・・

いや!その前にエンジンのオーバーヒートもありうるのだ。


「ワープ航法で、逃げ切るしかない!」


スヴァルの・・そんな焦りがこもった言葉に対して、運用AIは即座に否定する。


『危険です! 現在、強烈な時空変動を計測中。ワープ航法は不可です』

 

それは惑星破壊にともなう時空変動の脅威・・それを無視して強引にワープ航法へ突入すれば、この船体は、おそらくもたないだろう。


しかし、このまま推移すれば・・いずれ焼け死ぬ。

ならば選択肢は一つ、賭けに出るしかない! やるしかないのだ・・生き残るために!


「かまわない! ワープの実行だ。オーバーヒートする前に・・ワープせよ。これしか助かる道はないのだ」


スヴァルのその震える発言に運用AIは一切の反論はしなかった。

ただ一言、冷静に『 了解 』と返答するのみ。





--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)


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