出発
地下都市“カイロン”にて様々なものを買いこんだ私
ついでに・・ミズホ君も手に入れちゃった♡
用品店を巡り、大量に購入した商品の数々。
それらすべては、輸送ドローンによって、我らの航宙輸送艦“ネェイルン”へと運ばれていく。
買い物も、ミズホ君も、しっかりゲット。 “カイロン”での滞在は、なかなか充実したものになった。
(異空間にも飛ばされてしまったしw)
その後、地下都市から出て、地上に戻ると・・やっぱりそこは砂漠だった。
暑い! 熱い! あつい! 容赦ない日差しが肌を刺す。
注文した商品の数々は、予定通り輸送ドローンによって艦まで運ばれ、その後は、我が友“バイオマトン”たちが艦内へと丁寧に搬入していた。
暑さの中でも、物流は滞りなく・・・この惑星の暮らしは、意外と合理的に回っている。
「暑いのに大変ですね」と言いたいが・・輸送ドローンも“バイオマトン”も(自我の無い)ロボットだから、まぁいいっか!
そういえば、この地に初めて降り立った時、見渡す限りの砂漠にポツン!と、我らの航宙艦一隻だけだったのだが・・
今では、砂漠のあちらこちらに同じような艦艇が着陸している。
この場所は、ただの砂漠とおもいきや・・一応、 艦艇の駐機場として機能しているらしい。
さてさて、出航準備でもしましょうか~
スヴァルは、我らの航宙輸送艦“ネェイルン”の艦橋へと赴き、艦の出航に問題はないかと・・システムチェックにはいった。
ちなみに・・・システムチェックをするのはスヴァルではなく、運用AI・・すなわち"ミズホ君"である。
ミズホは・・艦長席の目前、オペレーター席に腰かけ、なにやら操作をしている。
さすが運用AIというか・・・ミズホそのものがこの艦の一部ですからねw
『内部構造から機体表面 損傷なし。
計器類・・高度計、速度計、姿勢指示器、すべて正常。
ナビゲーションシステムも起動済み。無線通信、送受信テスト完了。トランスポンダコード設定、全て準備よし!』
ミズホはニコリ! 笑顔でサムズアップしてきたので、スヴァルも自然と笑顔を返す。
だが、内心では少し困っていた。
運用AIに“感情らしきもの”が芽生えたのは、喜ばしいかもしれない。
人間らしさを帯びたその反応は、どこか温かく、親しみを感じる。
だがその一方で、艦の操縦には、冷静さと正確性が何よりも求められるのだ。
その任務を、感情を持ち始めたAIに託すとなると・・少しばかり不安がよぎる。
笑顔の裏側で、ほんのり漂う懸念。 そう、人間的ケアレスミスが心配なのだが・・・
「まぁ いいっか!」
考えても仕方がない。
出発するとしよう~! さらば"ホリュム"よ!
・・・・というか、この政府から渡された勲章---"正五等・鉄壁勇士章"--- なるもの。
これは、如何なるものか!? どういう意味を示しているのか!? すら説明されなかった。
全然分からん!
それでいいのか"ホリュム"政府!
あまりにも適当すぎるぞ!
よそ者への扱いって、そんなものなのか!?
それとも・・・もしかしてw
"口止め料は渡した。察しろ"
"政府関連とは、極力関わるな"
そんな無言のメッセージかもしれない?
「ふっふふ、一応、口止め料としての仁義は守るつもりだ。喋るつもりはない」
それにしても・・・そもそもこの"ホリュム"の政体ってなんなんだろう!?
基本的なことすら・・知らなかったのだ。
民主制か!? 共産主義!? 共和制!? それとも君主制か!?
まあ、その辺りは……星系データベースで検索すれば済む話・・・。
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『ホリュム政府の正式名称は"氏族国連邦"です。
選挙で選ばれた100人委員会と氏族委員会の二院制から成り立っており、国の中核を担っているのは元老院。
そして、その頂点に立つのが"総裁"と呼ばれる存在です。
国内は安定しており、経済状況も良好、治安もよし(一部は除き)
ただし、近年活発化している"宙賊"の動きに頭を悩ませているようです。
建国した年代は不明・・初代の総裁も不明だが、あのシズク人の末裔たちによって設立されたとされています。
一種の伝説、神話というところでしょうか』
この情報は運用AI、すなわちミズホの返答というか・・データーベースからの情報であった。
スヴァルは艦長席に腰掛けコーヒーを飲みながら、ミズホ先生の講義に耳を傾けていたw
それはまるで地理学・・いや、むしろ"社会惑星学"!? はたまた"銀河地政学"とでも呼べそうな内容・・・
そんな壮大な講義を聞きながら、私はピザを一口。
「いやぁ~、勉強になるね!」 と思わず口に出しつつ、チーズの旨味にうっとりする。美味♡
(ちなみに、このピザは・・そんじょそこらのピザではないのです。
地下都市“カイロン”で最も評判の高い名店もの。 約1時間並んで、ようやく手に入れた逸品だ)
「でりっ~しゃす!」・・・と口にしたものの、重要なのはピザの味ではない。
ミズホ先生の講義内容から、聞き捨てならない話題が飛び出してきたのである。
それはシズク関連の話・・・!
さすがはミズホ先生、なんでも知っていそうだ。
時空の間、異空間にて長期保管されていたミズホの身体及び、電脳データには、スヴァルの知らない・・いや! 世界にさえ知らされていない超古代シズク文明の情報がいくつも詰まっていたのである。
そして語られる・・その話とは、かつてのシズク人が放棄したという"時空回廊"についてだった。
かつてのシズク人たちは、この銀河各地に時空門を設置し、その門を通じて瞬時に次の門へ移動する仕組みを実現していたという。
そう、既存のワープ航法よりも遥かに高速、卓越した技術で築かれたロストテクノロジー。
その遺構が今も存在しているという噂(都市伝説)があった。
いや! それは噂ではなく真実・・ミズホ君は、その場所を知っていたのだ。
『そうですね! 僕の電脳データによりますと、この星域の近くに時空回廊が存在します』
その言葉、その内容を聞かされた瞬間、スヴァルの心臓が大きく高鳴った。
「おっおっ~おっっっ!」
シズク文明の・・あの時空回廊が、本当に存在していたとは!
「是非とも見てみたい! 見なくてはなるまい!」
スヴァルの身体・・それはシズク製の”ヴィラルノイド”、その影響なのか、シズクに対して強い興味を持つ!
それに加えて、私のオカルトパワー・ESPも、どうやらシズクと深い関係がありそうだ。
「私って・・もしかして、シズクで構成されていたりして・・!?」
なんて疑問を口ずさむと、ミズホ先生が静かに答えた。
『僕には分かるのです。 主様は特別な存在、シズク人の後継者。
”語り部”と呼ばれる存在なのです』
「語り部、ねぇ…」
スヴァル本人の電脳システムにかつて、そう・・いわれたことがある。
懐疑的というより、正直なところ意味不明・・スヴァルの思考は、ナッシング状態であった。
だが、ミズホ先生はさらに続ける
『 そうですね。その”語り部”とは・・シズクの遺志を継ぐ者、人類の故郷を知る者という意味なのです』
ミズホの中二病的言動に、私は思わず苦笑する。
「なんていうか・・・たいそうな肩書きだな。 いや、そもそもシズクのことなんて、全然知らないんだけど・・」
”語り部、語り部ね〜!?”
その言葉を、心の中で何度も繰り返す。
すると、不思議なことに・・何かが、胸の奥に蓄積されていく感覚があった。
・・・なんてねw 嘘! ちょっとした気の迷い
まぁ・・・”語り部”という不思議用語は別にしておいてw
とりあえず、次なる目的地が定まったのであった。
「さぁ、出発しようじゃないか!」
『 はい、主様』
航宙輸送艦“ネェイルン”は飛び立つ。
このホリュムの地を離れ・・シズクの遺構"時空回廊"へと向かって
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)




