表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/20

ノスタルジーな異世界

(スヴァル)と、お供の"バイオマトン"二体でいく・・・魅惑の旅、地下都市“カイロン"訪問


まずは散策、観光というわけで・・市内を一周することにした。

大通りには、けやき並木と街路樹が整然と並び、そのわきに流れる小さな水路には、鯉たちが優雅に泳いでいた。


わずかに古びた建物が立ち並び、街全体にどこか懐かしい風情が漂う。

心がゆったりとするような、そんな光景・・・


「うん、地下都市とは思えないほど・・いいとこだね!」


『はい、本当に驚きです』

"バイオマトン"を通して、運用AIが答える。



しかし! そんな風情の中を、場違いオーラを放つ存在(本人たち)が歩いていた。

黒髪の少女と、その後を追う鋼鉄の二足歩行ロボ(バイオマトン)


威圧感すら漂わせながら、街の中心を堂々と進むその姿。

護衛か、荷物持ちか・・どちらにせよ、あまりに異質だった。


そう、ここでは、このような二足歩行ロボは大変珍らしく、街の風景から浮きまくっていたのである。

行き交う人々からは距離をおかれ・・犬には吠えられ・・子供たちは興味津々で後を追いかけてくる(子供はロボットが好きですからね!)


警官から職務質問を受けることもしばしばあったが、身分証を提示するや否や、すぐさま敬礼される始末

これはちょっと、目立ちすぎかと、反省をする。


「ありゃぁぁぁ」


そんなこんなで・・・とりあえず、航宙関連の用品販売店に向かうことにした。

まずは物資の補給が目的だ。


その店は大通りに面した広々とした店舗。

青い山高帽をトレードマークとし、店の外観も一面青色。

銀河全域に展開する有名店だという。


店員とのやり取りは、例によって"バイオマトン"を通じて運用AIが担当している。


店員も驚きのようであった。

まさか鉄の塊のようなロボットと交渉するとは、夢にも思っていなかったのだろう。


一方のスヴァルはというと、そばの席に優雅に腰を下ろし、店員さんから差し出されたジュースを静かにすすりながら状況を眺めていた。

航宙艦の航行は全て運用AIにまかせているので、スヴァルはあまり口をはさめないのだ。


なにやら、大量注文をしているらしい。

各種部品に各種ドローン、燃料に予備部品・・ etc.

分類するのも面倒なくらい、あらゆる資材がリストに書かれていた。


資金については問題ない。

“ホリュム政府”から、十分すぎるほど頂いているのだ(口止め料としてw)


そして、これら注文した資材類は、輸送ドローンによって航宙輸送艦(ネェイルン)へと届けられるそうだ。

便利なサービスである。

これだけの資材のお持ち帰りは、無理だからね!


その後、精算する際、私の身分証を提示すると、一瞬・・後ずさる仕草!?

この勲章には、そんな破壊力があるのか!?

それとも、私の容姿とのギャップが原因か!?


その場の空気は妙な緊張感に包まれていた。

他の店員が端末を使って何かを調べているようだ。

その視線が私を二度、三度と確認する。おそらく身分証の偽造を疑い、当局に問い合わせたのだろう。

しかし、その結果を知った後、店員の驚きはさらに増しているようだった。


「ふっ、ふふふ」


ちょっと勝ったような気分

スヴァルは・・わりと性格が悪いのだ。



その後、店員たちが一斉に一列に並び、深々と礼をされながら、スヴァルは販売店を後にした。

「本日のご利用、誠にありがとうございました。またのお越しを、スタッフ一同心よりお待ち申し上げております」


仰々しすぎるというかなんというか・・・・居たたまれない気持ちになった。

しかも、この販売店の制服は、派手過ぎるほどの青い服! まるで仮装大会のようだ。

周囲の通行人たちからも・・注目されまくっていた。


「うぬっ!」



-*- - - - - - *-



それにしても、目立ちすぎたかもしれない。

いや、"バイオマトン"を二体連れている時点で、視線を集めるのは仕方ないとして・・・

どうやら何者かに尾行されているようである。


私のESP・直感力がその視線を感じ取っていた。

加えて、"バイオマトン"・運用AIも、すでに状況を察知しているようだ。


視線の主は、販売店を出た直後あたりから、私の背後10メートルほどの距離を保ちながら追尾している。



一体、何者なのか?

“ホリュム政府”の関係者が、スヴァルを監視している可能性もあるだろうが・・・

とはいえ、歩き方、歩数がバラバラなので、訓練を受けた正規の軍人という線は薄い。

それでも、もしプロのスパイや諜報員であるのならば、民間人らしい動きを装う可能性もあった。



・・・・いや! だいたい常識的に考えれば、町のチンピラというのが妥当だろう。

ああいう輩は、どこにでもいるものなのだし・・・スヴァルは、あまりにも目立ちすぎた。

どちらにしろ面倒を起こすわけにはいかない。穏便に立ち去ってもらうのがセオリー! 



そう、ESPによる初の実戦! 念動力による足止めを行うつもりだ。

絵画を描く際に鍛えた・・手を触れずに筆を動かした念動力を人に向けて放つ!


戦術としてのESP力を見せてやろうじゃないか! 初めての実戦!


スヴァルは静かに、路地へと入り込む。 わずかな隙間しかない狭い通路。

“バイオマトン”一体が、ぎりぎり入れるほどの幅しかなかった。




そして、その背後を・・視線の主たちが数名・・追ってくる。

足音、影、視線・・

路地に入ってきた彼らの気配など、簡単に察知できた。


どうやら、まっとうな者たちではないようだ。

その風貌、その動き、その目つき。


奴らは、こちらを標的にして動いている。

静かに私は立ち止まり振り返る。そして、指先に念を込めた。


「初めての試し撃ち・・やらしてもらうよ」


そう、いきなりの先制攻撃だ。宣戦布告なし。

相手方の言い訳、理由など必要ない。聞く必要もない。

どうせ、“少女だから”・・あるいは“金目のものでも持ってそうだから”

そんな程度の理由なのだろう。


だからこそ、迷いなく、躊躇なく、最初の一撃をスヴァルは放ったのである。


-- -- -- -- -- 


そう、その瞬間・・・路地の時が止まったのだ!


(スヴァル)に向かって迫ってきていた奴らの足が、突如として硬直、動けなくなる。

そして、全員が一斉に、"バシャン"、"ドシャン"と・・豪快にこけた。


「うぎゃぁぁぁぁぁ」

「ぐぅぁぁあっあああああっっ」


薄暗い路地に、男たちの悲鳴がこだまする。

かなりの痛がりようだ!

見事なぐらい顔面から地面に激突し、鼻の骨が砕け、唇が裂け、赤い血が路面に広がっていく。

まるで何かの殺人現場のごとく・・



「よしっ!」


彼らはスヴァルの念動力によって、足の動きを封じ込めた。強制的に歩行を止めたのだ。

もう動けない・・だが慣性の法則は働く!

彼らはわけも分からず、硬直したまま地面に激突してしまったのであった。


防御態勢をまったく取れず、無防備のまま激突したため、かなりの打撃を受けたはず。

骨が折れている可能性もあるだろう。


ふむ! これぞ・・ESPの底力!

ただし、相手の動きを封じ込める時間は、たった数秒のみ、だが・・それで十分なのだ!


そして私は、何事もなかったかのように、その場を静かに立ち去る。

まるで他人事のように・・・

これ以上の関わり合いは避けるべきなのだから!


-*- - - - - - *-



スヴァルは足早にその場を後にした。

だが、駆け抜けるように進んだせいなのか・・気がつけば迷子、道に迷っていた。


通常なら、大通りに出れるはず!

まっすぐ進めば、必ず通りに抜けられるのだ。 しかし通り抜けられない。


入り組んだ狭い道、複雑に絡み合う通路。 まるで都市そのものが、迷路のようだ。

そう・・この空間は、まるで“九龍城”のごとく・・


「あれっ おかしいな!? こんなところで迷うなんて・・」


しかも、妙なことに誰ともすれ違わない。人気がない。気配がない。

あまりにも、静かすぎるのだ。

まるでこの一角だけが、世間から切り離されたような不自然な空間。


さらに、頼みの綱であるGPSまでもがバグを起こし、現在地すら表示されなくなっていた。


『航宙輸送艦"ネェイルン"との通信はとれていますが、現在地、方位、時間すら不明です』

"バイオマトン"を通して、運用AIが答えた。


「おいおい・・どうなってるのだ!? 町の中で遭難って・・!?」


スヴァルはあらためて周囲を見渡した。

入り組んだ細い通路。ひっそりと咲く花壇、時の積層を感じさせる古びた建物。

そこに広がっていたのは、どこか懐かしい・・・ノスタルジックな街並み。


その情景は奇妙に懐かしく、しかし不明瞭で、頭の片隅をかすめるような・・・思い出。

かつて・・このような町に住んでいた気がする。

楽しく、がやがやと多くの人達とともに・・


「これは、私の記憶なのか・・!?」


"バイオマトン"にされ・・記憶を奪われたとはいえ、全てを失っているわけではない。

断片的に、わずかな記憶程度は思い出せるのだ。


この懐かしき風景を眺め、感慨にふけり、そして涙が頬をつたう。


特に私の目を引いたのは・・不思議な看板だった。

古びているが、どこか惹かれるデザインをしており、その下には駄菓子屋のような店が佇んでいた。



「ごくり!!」

唾を飲み込む音が静寂の中で響く。


スヴァルはその駄菓子屋のような店構えに・・何かを感じたのだ! 何かを察したのだ! 

(ヘンテコな暦が書かれているカレンダーにポスター、見たことない裸電球に蛍光灯・・ついでに電信柱にダイヤル式公衆電話)

自分自身の直感、いやESPが、とあることに気づく。


そう、この場所は・・今世、現実の世界ではない。

別の空間、または過去の世界、それとも天国、はたまた地獄か!?


「まずい! ここは・・時空の狭間。人ならざる世界に迷い込んでしまった!」


鼓動が速くなる。

重い空気に飲み込まれるように、恐ろしい予感が心を締め付けるのだが、それと同時に・・ある種の好奇心も芽生えてきた。


あの駄菓子屋風の店を覗いてみたい!


スヴァルはおそるおそる近づき・・駄菓子屋の中へ足を踏み入れた。

そこにはやはり、誰もいない・・・無人だった。





--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ