着陸
航宙輸送艦"ネェイルン"の格納庫から、4門の電磁砲がせり上がり、即座に展開された。
ターゲットは我らに接近してくる敵・・・それは宙賊の大型航宙艦!
運用AIからのデーターによると・・・
敵の艦名は"アムヌジィニス"、全長は800m・・"戦航型"と呼ばれる戦闘特化型の弩級艦
ただし、現在の姿は・・・満身創痍!
"ホリュム"防衛艦隊による激しい追撃を受けていた。
今こそ、私の手によって・・この瀕死の相手に、とどめを与えてやろうじゃないか!
( 手柄の横取りかな!? )
「撃て! 撃て!」
電磁砲から放たれた・・4発の反物質弾頭!
亜光速の軌跡を描きながら、突き進むその弾頭は、寸分の狂いもなく敵艦の前面へと吸い込まれていった。
しかも、敵はプラズマフィールドを展開しておらず、完全な無防備状態!
命中さえすれば、“必殺の一撃”となるであろう。
そして、その瞬間が訪れた。
"アムヌジィニス"と名乗る弩級艦の船首中央部に・・4つの閃光が走るやいなや、誘爆をおこし・・それが艦全体へと広がった。
ダメコンが間に合わない。制御不能の炎と爆発!
そして、艦は二つ折りになるかのようにして爆散した。
弱っていたとはいえ・・輸送艦が"戦航型"弩級艦を撃破したのである!
スヴァルはその光景をモニター越しに睨み・・・「ふっ!」口元が緩む。
しかし、まだ安心してはならない!
戦闘特化型、最強のはずの弩級艦を撃破したのだ。その復讐、仇を討たんとして・・他の宙賊艦が、怒涛の如く襲ってくるかもしれない。
そして、その予想通り・・・ではなく!
小型の航宙艦が1隻、現れた程度だった。肩すかしである。
電磁砲を使えば容易に対処できるだろう
両艦隊が激突する主戦場は、ここから少し離れた場所なのだ。
ゆえに・・この付近に強敵がやってくるとはおもえない(たぶん)
そう、それであっても我ら輸送艦"ネェイルン"は油断せず・・粛々と惑星圏内に航行・・さっさと逃げこむのだ。
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「あの弩級艦の撃破・・防衛艦隊の手柄を横取りしたような気もしたが・・・まあ、向こうから突っ込んできたんだから仕方がないよね!」
そんな発言に対して、運用AIは返答する。
『主様は何も悪くありません! 気にする必要もありません! あれは正当防衛だったのです。
"ホリュム"管制ステーションの方にも、不可抗力による武力行使だった旨をお伝えしておきます』
「助かる! たのむよ」
・・・とスヴァルが応じたその瞬間、艦橋全体がわずかに揺れ、耳をつんざく警告音が響き渡った。
そう、来襲してきていたあの宙賊の小型航宙艦によって、"ネェイルン"の側面に大穴を開けられ、プラズマドライブに損傷を受けてしまっていた。
モニター画面には、緊急事態を知らせる真っ赤なメッセージが浮かび上がる。
だが幸いにも、"バイオマトン"たちによる迅速な修理のおかげで、大事には至らなかった。
その素早い動きは・・運用AIによる指示なのだろう。大助かりである!
どうやら、あの敵・小型航宙艦の電磁砲が、こちらの防御結界・プラズマフィールドを貫通されてしまったらしい。
たかだか小型艦に・・・油断大敵というべきか!?
ちなみに・・来襲してきていたあの宙賊艦は、"ネェイルン"のビーム砲とドローンによって撃破している。
「軍用ではない・・ただの輸送艦では、本格的な戦闘は無理というわけか! 弩級艦を倒したのは・・たまたまの運! くじ運だな!」
実力以上の敵と・・戦うべきではないという教訓だね!?
それとも・・プラズマフィールドをさらに強化し、改造を施し・・・戦闘艦にすべきか!
そんなことを思考しつつ・・・航宙輸送艦"ネェイルン"は無事!?に惑星"ホリュム"に到達、管制ステーションに許可をとって惑星の大気圏に突入したのであった。
「助かったか! これで戦域から離脱できたな
惑星内に入り込めば・・襲われることもないだろ」
"ホリュム"航宙管制の指示に従い・・我ら輸送艦"ネェイルン"は着陸態勢に入った。
全長1キロにおよぶ大型艦を収容できる空港はそんなに多くはないし、停泊料も安くしたい。
それゆえなのか!? 着陸地は予想の遥か斜め上をいった。
誘導されたのは、果てしなく続く赤い砂地の・・ど真ん中。
そう、広大な砂漠に、ぽつんと佇む人工構造体がひとつ。妙な存在感を放っていた。
「おいおい、まじかよ!」
思わず声が漏れる。
空港どころか、何もない。何も見えない荒涼とした砂漠の光景。 だがその時、運用AIが応答した。
『主様、問題はありません! この地下に都市があり、最も利便性の高い空港なのです』
スヴァルは、思わず目を見開く。
地下都市・・だと?
改めてモニター越しに周囲を確認すると、小さな構造物のひとつに気づく。
階段か、あるいはエレベーターか。
どうやら地下へと続いているようだった。
(まるで地下鉄駅の入り口)
それにしても・・ここが本当に“空港”なのか!?
ここは地平線まで染まる赤い砂漠、何もない砂だらけのど真ん中なのだ。
まるで戦時中の仮説空港みたい!
・・というか今は宙賊との戦争中だったねw
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航宙管制からの指示では、"戦闘終結まで、ここで待機せよ"とのこと・・だった。
わかりやすく言えば、"外に出るな!"・・というわけである。
いわゆる、戒厳令なのだろう。
戦争中なのだから、仕方がない対応である。
しかも,運用AIからもたらされた現地の情勢は・・あまり穏やかなものではなかった。
宙賊艦隊の一部が・・惑星上に降下し、略奪をしているらしいとのこと。
数はそれほど多くはないらしいのだが・・ホリュム治安部隊と激戦しているらしい。
どの地域で略奪、戦闘が起きているかについては不明であり・・不安でもある。
それでも・・・この周辺ではないのは確かであろう。
航宙管制によって誘導された地点であり、戦闘の気配は感じられない。
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とにかく、戒厳令なのだ。
外に出ることは許されず・・地下都市の出入りも禁止されている。
こうして、突如訪れた"暇"な時間、休養タイムとなった。
『主様、数日間の待機も想定されます。この機会を利用して、艦のメンテナンスを実施いたします』
運用AIの提案にスヴァルは軽く頷き返した。
「あっ、頼むよ!」
その声を合図に、運用AIは即座に艦内各セクションへと指示を送信。
“バイオマトン”たちが一斉に稼働し始め、メンテナンス作業が慌ただしく動き出す。
遠くからの作業音が響く中・・スヴァルは、“暇”・・いえ、違いますよ!
私にも、やるべきことがあるのです!
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)




