始まりの奴隷惑星
数千億の星々が瞬くアマルガワ銀河。
その片隅、辺境のさらに奥・・銀河航路図にも記されていない、忘れられた恒星系のもとに、ひとつの惑星が存在する。
奴隷惑星・・・そう呼ばれるその星は、酸素を持たぬガス惑星、地球のような地殻は存在せず、陸地も存在していないはずなのだが・・さにあらず!
そう、この惑星の表面、大気上には、多数の巨大物体が重力に逆らい浮遊していたのだ。
それらは通称・・・"浮島"、俗に言う浮遊大陸!
このガス惑星における唯一の陸地であり・・唯一の大地ということになる。
そんな浮島の中でも最大級の大きさ・・オーストラリア大陸に匹敵する広大な地に、記憶を失い、ただひたすらに採掘作業を強いられる者たちがいた。
彼らは"バイオマトン"・・・採掘用に強化した身体と機械の融合体、酸素もない世界でも生きていける半人間。
かつて人間だった彼らから 自我と記憶を奪い、その上、身体までもが改造され・・奴隷のように労働を強いられていた。
そう、彼らに人権はない。ただの機械人形・・・どこかの星から拉致され・・無残にも改造された者たち。
そんな機械人形"バイオマトン"は・・来る日も、来る日も、ひたすら採掘を続け・・貴重なレアアース(グラアスピア)を堀り続けていた。
しかし・・古代の奴隷制のように鞭で叩かれることはない。
自我のない人形ロボットに体罰をする意味などないのだ。
彼ら"バイオマトン"は・・プログラム通りにしか動かないのだから・・
カーン! カーン! カーン!
今日も響く、バイオマトンたちの採掘音。
銀河を旅する恒星間時代になっても、 その音だけは変わらない。
カーン! カーン! カーン!
古代から受け継がれたピッケルの音。
ここはガス惑星、酸素はないが・・大気があるので音だけは響く。
ちなみに、彼ら"バイオマトン"の不当な扱い、人間から自我と記憶を奪う行為は犯罪であり、この惑星は違法行為によって成り立っている。
カーン! カーン! カーン!
だが、ここは誰にも知られていない辺境惑星・・・通報する者などいない犯罪特区。違法行為の天国なのだ。
そんな惑星、そんな浮島にて、このような採掘現場に勤しむ一体の"バイオマトン"がいた。
彼の頭脳には自我が残されていた。
ありえないことなのだが、かなりの低確率、または奇跡によって自我を保っていたのである。
しかしその反面、彼は記憶を失っていた。全ては空っぽ・・何も思い出せないのである。
なんと悲しき事か・・なんという悲劇!
彼には・・過去の断片も未来への希望もない・・・ただ労働、ただ搾取。
そんな不条理の中、静かに問いかけるのだった。
「私は…誰なんだ?」
だが・・誰も答えてくれない。教えてくれない。
そして、私は課せられたプログラム通り・・強制労働、レアアース(グラアスピア)の採掘を続けるのだった。
ただひたすらに同じ作業を繰り返す・・・ただそれのみ。
-------------------- To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)




