王太子様に婚約破棄をされたが、私のツッコミ精神に火が付いた!
「クリスティナ!お前とは婚約破棄だ!何故ならお前はブスだし、私はエミリーを愛してしまったからだ!」
こんなことを言うのは私の婚約者である王太子フィリップ様だ。
ちなみに私は公爵家の娘、エミリーなる令嬢は確か男爵家の可愛いとかで有名だった子のはず。
あのさあ……私はまず言わずにはおれないことを言った!
「フィリップ様?恐れ入ります!これだけは我慢ならないので言わせて頂きます!」
「何だ?婚約破棄なんて認めないとか戯言を言う気か?王太子や王家を舐めるなよ!たかが公爵家無勢が!」
「違います!公爵家を侮辱されたのも謝って欲しい所ですが、それよりも私が言いたいことはまず1つあります!」
「面白い言ってみろ、お前ごときが反論できると思うな?」
「いいえ反論してみせます、これでも私は社交界の華とまで言わせている女!ブスはないでしょうブスは!」
そうなのだ、ブス呼ばわりされるなんて、私のプライドが許しませんわ!
「……黙れ!私にとっては可愛くないからブスだ!文句あるか!」
「文句ありますね!だったら俺の好みじゃないって言うべきですよ!」
「……いいだろう!この私の好みではない!分かったか!」
「……それならば仕方ありませんね、人の好みばかりはどうにもならないので……」
よし、これで私がブスなんて不名誉なことは避けられた、好みばかりはどうにもならないですからね……
私が満足した顔をしていると、フィリップ様がなぜか怒り出した……
「お前は本来婚約破棄されたことを気にしろよ優先順位がおかしいだろ!」
ああそれですか……うん確かに気にするべきですよね……
私としたことが!ついブスとか言われてかッとなってしまいましたわ……
「流石フィリップ様、よくぞ仰ってくださいました!」
「何でお前が感謝しているんだ……」
フィリップ様やりますね、正直見直しましたわ……この私に突っ込みを入れるとは……
「分かりました!婚約破棄とかしていいんですか?だって色々問題になりません?」
うん、とりあえず真面目なことが言えたよね?私……
「うるさい!私は王太子だ!たかが貴族に気を遣う必要など無い!」
……言われて見れば王太子様のほうが偉いから貴族に下手に出るってのも変ですわね……
横暴なくせに筋が通っている?どうしたものか……
いや活路はある!
「そうですね、でも1つだけ要求することがあります!」
「何だ?言ってみろ!」
「私はブスなどと言われて傷つきました!これは私への侮辱ですので、慰謝料を要求します!」
「お前……まだそれを言うか!訂正したから良いでは無いか!好みではないに!」
「訂正したとは言え、一時傷つけられたのは事実!そこは王太子様と言えど、私は譲ることはできません!」
「……お前おかしくないか?何でそこが譲れないの?普通は婚約破棄されたとか浮気とか言うんじゃないの?」
「……うーんそこはぶっちゃけますと、ブスって言われたことを思えばどうでもいいです!」
私のキッパリとした宣言の前に、フィリップ様は困惑した顔をしている……
うむこれ私の勝利では?