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エンゲブラ的短編集

メフィストファイルス

作者: エンゲブラ
掲載日:2024/12/27

彼を見つけたのは、ほんとうに偶然であった。

あの図書室で、あの天井ない牢獄で。

黙々と、ただ本を()()()し続けるだけの少年を。


(そんな読み方をして、何がわかる?)


疑問の答えはすぐに明らかとなった。

……カメラアイ?

なんだ、その面白い能力は。

だが、こんな所にいては、何にもならない。

君は、何者にもなれはしない。


彼の周囲の人間たちも、同様であった。

ただただ、彼の才能を惜しみ、尽力もした。

しかし、それらは徒労に終わった。


私は、彼らに触れることが出来なかった。

手助けすることが出来なかった。

そもそも、私と彼らとでは、存在の階層(レイヤー)自体が違うからだ。


私から彼らを見ることは出来ても、彼らから私を知覚することは出来ない。

彼らから私に祈ることは出来ても、私から彼らに触れることは出来ない。


私はただ、その少年を見守ることしか出来なかった。

そして案の定、少年は()()()()()()()()()()()()、ありふれた最期を遂げた。


私は彼を、かつて私がいた世界に送ることにした。


生前の彼には、触れることが叶わなかったが、魂の存在となれば、私の領域。

私以外にも、彼の魂に目を付けていた、この階層の存在たちは多数いた。

だが、彼の魂との()調()()は、幸運にも、私が一番近しかった。


私は、()()()()()()()()()()、私がかつて生きた、あの世界へ彼の魂を送る。

彼の魂がもたらす、あの世界の発展を祈りながら。

彼の行く末を見守ることは叶わないが、それは未来でもあり、過去でもある。


()()()なら、私以外にも無限に存在する。

彼の者らの目を楽しますべく、新たに生まれ直す世界の物語を。

私の魂と引き換えに、少年の手に委ねることとす。


挿絵(By みてみん)

連載作品『この転生には、いったいどのような意味があるというのか?』

(N0859JS)の前日譚。


彼はいったい何者に選ばれ、なぜ転生することとなったのか?

本編では語られない、神以外の存在による介在の余録。

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挿絵(By みてみん)
― 新着の感想 ―
願わくばもう少し長いバージョンで読んでみたいです
 観測者 = 読者 と勘違いしておりました。
 観測者、増えるといいですね。
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