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悪夢

プルルルルルルッ プルルルルルルッ

電話の音が、とある一室で鳴り響く。

カチャッ

「はい、もしもしこちら

お悩み壊滅室東京支部です。

お客様、今回のご用件はなんでしょうか?」

優しさと大人の包容力を感じさせる女性の声で

電話主に返答する。


「あの・・・・・・相談したいのですが。」


「わかりました。お客様申し訳ないのですが

ご都合の良い日とお時間と指定する場所

を教えていただけますか?

私たちお悩み壊滅室がお客様の指定する

場所に向かいたいと思います。」


「・・・えっとなら、

・・・麻山公園に・・・来てもらえますか。

今日の夕方の5時くらいに。」


「わかりました。ではその時間に

向かいます。それでは失礼します。」

カチャッと電話を切る。


「相談か?」

野太い声で無精髭、筋肉隆々の中年が

緑の髪に黒縁眼鏡の麗人に質問する。

「ええ、。ひどく弱々しい声の少年からの相談よ。」 


「・・・それはそれは・・。小学生くらいか?」


「そのくらいでしょうね。声が幼いもの。」


「かーっ!そのくらいの年でここに

相談するなんて、世の中は腐ってるな!」

中年の男が頭を掻いて憤慨する。


「仕方ないじゃない、ストレス社会ですもの。

年齢なんて関係ないわ。」

諭すように男を宥める。


「ったく、とりあえず今日の夕方5時だな。」


「ええ、。向かって頂戴。」


「あいよ!」

と大きな声で返事をして、数時間後。

空が茜色に染まった頃。


「おーし!着いた!着いた!

電話してきた少年はどこだ!」


辺りを見回すと

ブランコに座ってうつむく少年がいた。

髪は黒髪の癖毛で

身長は160前後

服装は白と青のボーダーのTシャツに

黒の短パンで

目の形は猫目で黒い瞳

目の下には大きな隈ができていた。


その近くには、黒髪が腰まで伸びて

白いワンピースを着た少女がいた。

白い肌に少し切れ長の

大きな目、将来は美人になりそうな。

整った顔をしている。


ブランコに向かうと

「おーーす!!お悩み壊滅室の

岳原 勇吾(たけはらゆうご)だ。

君が相談者かい?」

豪快な声でそれらしい少年に声を掛ける。


「は・・・はい・・・・そう・・です。」

「こんにちは。」

少年が弱々しい声で返事をする。

続いて少女が挨拶する。


「こんにちは!

そうかそうか!どれ、よっこいしょっと」 

と少年の隣のブランコに座る。


「君たちの名前は何だい?」


「えっと・・・夢宮 駿(ゆめみやしゅん)

・・・です。」

星見 友奈(ほしみゆうな)です。」


「そうか!駿と友奈か!ところで

相談とはなんだ?」


「あの・・・夜眠れなくて・・・

眠れない時は・・・お悩み壊滅室に・・

電話と・・町の掲示板に・・

書いてあったので・・・相談に・・・来ました。」


本題に入ると少年はボソボソと

相談内容を話しだした。


「ほう、眠れないか・・・

ちなみに眠れないのはいつからだ??」


「えっと・・・1週間前からです。・・・」


「一週間前からか、原因は心当たりあるかい?」


「・・・・僕は、学校のクラスメイトに・・・

・・・・格闘ごっこと言って・・

首をしめられたり・・・お腹を蹴られたり

宝物隠しと言ってきて

教科書隠されたり・・・・落書きされたり

してて、その光景が夜眠ると

夢に出てくるようになって・・・

寝るのが怖くなったんです。・・・・」

その内容を話した少年は、

弱々しさが更に増し、苦しそうにしていた。


「ひどいんです!

駿は何も悪いことしてないのに!

どうか駿を助けてください!」

女の子が懇願する。


「・・・そうなのか・・・えー・・・・。

あ!ちょっと待ってな。

よいしょっと、えーと・・・あった。

これを夜眠る前に飲んでくれ。」

ポケットの中に手を入れて

取り出したのはドロップ缶だった。


「えっと・・・これは?」


「これはな、ぐっすり眠るのに必要な薬だ。

眠る前に絶対に飲んでくれ。

なら、俺は帰るわ。」


「・・・えっ???待ってください!!」

「相談、まだ終わってませんよ!?」

二人が、慌てて引き止める。


「あー・・・俺には、

どうアドバイスしていいのか分からん!

なので、えーと・・その薬を

眠る前に絶対に飲め!いいな!

それじゃ!!」

と薬を飲むように再度言われた後、

岳原勇吾と名乗る男は、帰って行った。


「何よ!あのおじさん!!

何も相談に乗ってくれないじゃない!!」

友奈が怒り出す。


「・・・結局・・誰も・・

助けてくれないのか・・」


「・・・駿。もう帰ろうか。」


「・・・うん。」

二人は、モヤモヤしたまま

公園を後にした。


夜に街灯が灯り始めた頃


カチャッ

「ただいま〜。あーーー!疲れた!!。」

事務所のドアを開け

ソファに勢いよく座る。


「あら、おかえりなさい。」

淡々と返事をする。


「俺にはいいアドバイス

なんて無理!!薬だけ渡してきた!!」

といい加減な報告をする。


「・・・はぁっ。

まぁ、あなたには無理よね。

薬だけ渡してきたなら、まぁいいでしょう。」

呆れた顔をしながらため息を吐き出す。


「あぁ、あとはしっかり飲んでくれるかだな。

にしても胸糞悪いわ。クラスメイトが

よってたかって、あんな弱そうなガキ

いじめたりしてよ。本当に世の中は糞だな。」


イラついた顔で

相談された内容を話す。


「それも、眠れない夜が一週間続いてるそうだ。

今日中になんとかしないとやばそうだ。」


「そう、しっかり薬を飲んでくれると

いいのだけれど。」


二人は、あの少年を心配しながら

夜を待つことにした。


数時間後

街中の明かりが消え始めた頃。


布団に入り、寝る準備をする。

「・・・これで本当に

眠れるのだろうか?」

あの男に渡されたドロップ缶を

ベッドの上で眺めていた。


「飲んでみるか。」

ドロップ缶の蓋を開けると

ハート型の白いラムネの様な物が出て来た。


「・・・えい!」

と口に放り込むと優しい甘さが

舌の上でとろけ出した。


「えっ、結構美味・・・・・

すーっ・・・すーっ・・・すーっ。」

味の感想を言おうとした瞬間

目がぼやけ出し、意識がぶつりと切れた。


「・・・・・・・!・・・っ!・・・い!

おい!・・・おいっ!起きろ!」

と野太いおっさんの大きな声が聞こえる。


「んっ・・・・何ですか?

てかおじさん。なんで僕の家に??

って!あれ??ここは・・・・どこ??」


目が覚めると変な場所にいた。

まるで、水の中に赤い絵の具を浸けて

混ざりきってない状態の水の中のような

赤色と白色がぐにゃぐにゃと動いている感じの

地面や天井だ。



「全く・・やっと起きたか。

薬のおかげかぐっすり眠ってたな。」

呆れた顔で話しかけてくる。


「あの・・・ここは?どこ?」


「あ?ここは、お前の心の中だよ。」

「・・・え??」

おじさんが、訳の分からないことを言い出した。


「僕の心の中?」

「そうだ、()()()()

心源(しんげん)と呼んでいる。」


「あの・・・それで僕はどうしてここに?」

「そりゃあ、お悩み解決するために

決まってるだろ。」

当然だろという感じで言って来た。 


「は、はぁ・・・」

理解はできないがどうやら

悩みを解決するために薬を飲んでもらい

ここに()()()()()なかったらしい。


「それで、そのここで

お悩み解決って一体・・・」

言いかけた瞬間


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!!!


大きな地響きが起き始めた。



「うわっ!!なに!!!」

大きな揺れで、

思わず体勢が崩れて尻もちをつく。


「さあ〜って・・

やっと来たぜ。お前の悩みが。」

おじさんが天井を見上げる。


天井がバリ!っと割れ出す。

パリン!!!っと割れたところが

大きな黒い穴になった。


その穴から大きな黒い体に

ギザギザ歯がついたの大きな口、

どこを見ているかわからない

白い目の化け物が天井から

顔をのぞかせた。


顔だけで、30m くらいの

大きさがある。


「お、おおおお、

おじさん!あれ!!何!!!?」

慌てて質問する。


「あれが、お前にひどい夢を見せていた原因だ。

悪夢って言葉を聞いたことあるだろ?

あいつがそうだ。」


「悪夢!?あれが!?

化け物じゃないか!!!?」


ここは現実なのか??

初めて見る化け物に

驚いて落ち着かない

心を他所に、顔の血の気がさーっと引いていく。


「・・・駿、よく俺達に相談してくれたな。

お前、俺達に相談してくれてよかったよ。」


「な、何で?」




「何でってお前・・・あとちょっとで。

動かない生き人形になるところだったぜ。」



読んでくださってありがとうございます!

感想等お待ちしております!

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