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18 世界樹の武器

 「おはようだよ!」


マナはレナ・バースの腕の中で目を覚ました。レナ・バースはマナを抱き寄せながら布団の中で見つめている。


 昨日は大変だったんだ。


お嬢は、私を抱きしめて離さないし、膨らみをずっと触らせるし何度も口づけするんだもん。


 誘惑の女騎士は寝るまで誘惑する者なんだよ!


 ほら!また口づけする。


 朝からお嬢は誘惑全開だよ!


 ……………………


 え?


 今日はギルドに行かないの?


 レナ・バースは朝食を済ますとマナに提案をした。魔物達はマナのオーラに驚き逃げる。そしてマナの武器は世界樹の枝。私の奥義を簡単に弾く強さがある。


 「これは普通の枝だよ?」


 世界樹の枝を振り回し、これが強い意味が分からないと不思議そうな表情で枝を見つめている。


 レナ・バースはマナにとっては普通でも、この世界ではその普通が異質な存在になると教えてくれた。


 私は…普通だよ。


 「じゃあ…どうしたらいいのお嬢?」


レナ・バースの提案は、マナには普通のFランクらしい装備を身に着けてもらう。そして人族の武器で冒険者をしてもらい、人間側で強くなってもらいたいとの事だった。


 「人間さん達の真似をすればいいのね!」


 だから今日は依頼を休んでマナの装備を買いに行く。


マナは買い物と聞いて喜んだ。そして話しが終わると、レナ・バースの腕を掴み家を出た。


 「へい!らっしゃい!!」


街の武器屋で立ち止まる二人に元気に声をかける店主。

レナ・バースは店主の言葉に背筋が伸びる。


 理由は昨日のお風呂だ。


 身体が熱くなるレナ・バース。


 マナは足をくねらせるレナ・バースを見て心配するが

レナ・バースは息をきらしながらマナを見て微笑んでいた。


 マナちゃんは今夜も乱暴してくれるのかな?


 どうやらレナ・バースは昼前にして既にマナに興奮したようだ。


 「へぇ~っ、嬢ちゃんは冒険者なのか?すげぇな」


店主は幼いマナを見て驚いている。マナは褒められた感じがして緑色の冒険者証を店主に見せた。


 「レナさん!今日は嬢ちゃんの武器選びだな?」


 「え、えぇ…お、お願いできるかしら?」


その黒艶の革のパンツの中には何かいるんですか?という程、足を絡ませるレナ・バース。


 店主は不思議がるがレナ・バースは笑顔だから…


 たぶん問題はないのだろう。


 店内に案内されたマナは、ところ狭しと並ぶ武器を見て興奮する。店内を走り回っては展示されている武器を指先でツンツンしている。


 「先ずは剣なんかどうだ?まぁ体格的にショートソードになるが切れ味は悪くないぞ!」


 剣?


マナはレナ・バースと同じ武器だと喜んだ。並べられた武器を顔を近づけ覗き込む。


 「これはどうだ?」


 手渡されたショートソードを握るマナは………


 そのまま後ろに倒れてしまった。


 慌てた二人は急いでマナを抱き起こす。マナは驚いた表情をしながら天井を見つめている。


 「重いの……びっくりしたよ」


一番軽い剣だったがマナの体格には合わなかった…


 剣は駄目だ。剣が駄目なら槍も斧も話しにならない。店主は闘拳様のプレート入りのグローブを装着させて見たがマナは腕が上がらないと落ち込んだ。


 ならばと店主は練習様の木剣を渡した。マナは両手でふらふらしながらも持ち堪えるが、我慢の限界で自ら頭にぶつける様に倒れた…


 「…う〜痛くないもん!」


 木製でも重量オーバー… 


店主は腕組みをしながら悩む。もはや武器の種類よりも軽さのみで選びだした店主。


 これならどうだ?


 革の鞭…鞭といっても、対魔物の鞭では無い。荷台を引く動物や家畜の為に使う鞭だ。全力で叩けば、それなりの威力はあるかもしれないが魔物や防具を着用した冒険者達などにはダメージは期待できないだろう。


 「うわ〜!これは大丈夫だよ!振り回せる!」


店主は心配する。こんなに幼いのに冒険者になれたんだから、この子には何かあるのだろう。しかし…家畜用の鞭しか装備出来ないのは危う過ぎる。


 俺は武器屋だ冒険者に武器を売りつけるのが仕事だ。

でも…この子には生きてもらいたい。


 店主は奥に行き小さな箱を持ってきた。随分古い箱だが…


 「こいつは嬢ちゃんにやる。うちの家宝だ!」


 ローレライの羽衣…


 水の妖精が創造したと言われる伝説級の防具。その衣は対象者の体格に合わせて変化する。そして攻撃を自動で防ぐ水の壁を創り出す。


 「店主!いくらなんでも…これはやりすぎだ!」


ローレライの羽衣を見て、戸惑うレナ・バース。伝説級なんてAランク冒険者でも、簡単に手に入れれる物ではないんだ。


 しかし店主は笑った。


 「誰かが使わなければ防具の意味がないだろう?それに見てみろ…あの子に似合っているじゃないか!」


 ローレライ?


 確か…あの妖精さんだ。マナは身に付けた羽衣を見ながら昔を思い出す。


 ……………


 「世界樹様!私の羽衣…無くなってしまったの!」


 …………


 「また創れ?無理です!あの羽衣創るのに五百年費やしたんですよ!私にはもう気力が無いんです!」


 …………


 「五百年なんかあっという間に過ぎる?もう!世界樹様の時間は私達妖精より凄く長いんです!一緒にしないで下さい!」


 …………


 「え?……あ、ありがとうございます世界樹様。私の宝にします」


 確か琥珀を渡した、あの子がローレライだった筈…


 もう二千年は前かな?


 元気かしら彼女? 

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