回想
これで大丈夫なのか不安笑笑
よろしくお願いします
小舟に乗せた食料も尽きようとしていた時、やっと陸地が見えてきた。
陸地に着くとそれぞれ着替えて解散し、バラバラに行動することにした。
「アインへ戻ったら即刻銃殺だろうな、頼むから見つかるなよ」
ミュラー達5名はそれぞれうなずいて解散して行った。
皆が見えなくなった頃、俺も歩き出すことにした。まだアイン帝国とエレイン国との国境くらいであろう。すぐに行動しなければならない。
とりあえず、俺は国境を沿うように歩き出した。
東へ向かえば、ヴォロイ王国へ着くはずだ。アイン帝国の国境付近を歩くのは危険だが、エレインはアイン帝国との同盟国だから、滞在するのもまずい。
あれだけの思い出のある母国が今は敵か、、、。
俺はアイン帝国の普通の庶民の子として生まれた。
父は石工技師で、昔から力仕事の手伝いをしていたため、人より身体は丈夫だった。12の時、友人の持っていた歴史書が原因で戦史が好きになり、独学でいろいろ研究をし、それを評価され15の時平民ながら、また魔法を使えるわけでもないのに士官学校に入ることができた。
まれに生まれる魔法の使える人間たちは、若くして士官学校に入っているから、鼻について仕方がない
いわゆる「貴族の馬鹿息子」たちもいたが、優秀な候補生もいて、成績は半ばで卒業した。
准尉として西方軍の前線に配属されたが、丈夫な身体のおかげでそれなりの武勲をたてて2年で大尉になった。そして作戦本部として今回の戦いに参加したわけだが、まさか上司の無能でこうなるとは思わなかった。
歴史上、海洋国家と大陸国家が戦うときは最低限気を使っていることを提督にもなって分からないのかと呆れてしまう。だから貴族の馬鹿息子達は嫌いなんだ。
3日ほどたった。食料は切り詰めて食べていたがもうない。向こうから馬車を引いた商人たちがやってくる。
出来るだけ顔を見せないように持ち金で食料を買うことにした。
それなりに持ってはいたので、1週間持つような食料を多量に買った。
すると商人が、
「アイン帝国がコールティアに大敗したのを知ってるかい?なんでも出陣した百何十隻のうち帰ってきたのは10隻に満たないらしい。旗艦すら帰ってきていないそうだよ。痛ましい話だね」
そうか、アインはやはり大敗したか、
商人は続けた
「ほとんどの兵士はコールティアの小型船の乗員に乗り込まれてなすすべもなく殲滅されたそうだ。何倍も兵力を持っていたそうなのにな」
予想通りな負け方をしてしまっている。1万を超える兵がいたのにな、帰ってきたのは10隻か、、、。
旗艦がやられたと言うことは、おそらくヘインズ中将も、ホルツバウワー少将も戦死したか、、、。敗戦だから2階級特進もない。そんな死に方をしたな。
話し相手を探していたとみえ、一通り話しきるとすぐに行ってしまった。
バレては、、、いないよな?
おそらくバレてはいないだろうと希望的観測をして、また、歩き出した。
それから歩くこと5日、ヴォロイ王国についた。