逃亡
歴史が好きなので歴史で起きたことの応用で戦記物を書いてみます
初めての作品で正直、右も左も分からない状態で書いております。ご迷惑おかけします
アイン帝国西方軍司令部作戦室
パウル・フォン・ホルツバウワー少将は眠たそうに眼前の若い士官に問いかけた
「なぜ、弱小のコールティアを潰すのに
4倍もの兵力を持つ我が軍が、慎重な作戦をとらね
ばならないんだね?カイン大尉」
「コールティアは島国、海上での決戦を仕掛けてくる
ことでしょう。しかし、我々は海戦は慣れておりま
せん。軍の行動も遅くなり規律もなくなりかねませ
ん」
「コールティアがどれほどのことか、この戦いは皇帝
陛下の威厳を知らしめるためのものだ。これ以上の
議論の余地はない」
俺は、作戦室を出て自室へ戻った。
なぜこうも上層部の頭は硬いのだろうか?
このままいけばコールティアの海軍にいいように殲滅されてしまうだろう。
せっかく士官学校を出て前線で武功を立てて昇進したのにもかかわらず戦死して中佐はわらえない
しかし、これも給料のうちだと思いながら明日の出発に備え、眠りに落ちた。
翌日、あまり上出来とは言えない船にのり、味方艦隊とコールティアに向かった
役1週間の進軍で、向こうから敵艦隊と思しき集団を見つけ臨戦態勢に入った。
俺は急いでホルツバウワー少将のもとへ向かった
「閣下!1週間の進軍で兵士たちは疲れ切っていて、ふ
な酔いするもの多くいます。今の決戦は避け、敵の
戦力を割くのか良いかと」
ホルツバウワー少将は嫌悪する様にこちらを見て
「以前も言ったが、我々の軍は艦艇120隻、コールテ
ィアはわずか28隻だ!兵力的に優位にある!ここ
で負けない算段をしなければならない道理がない」
「しかし!」
「もういい、君は疲れているようだ、自室でゆっくり
と休みなさい」
「、、、。はっ、承知いたしました」
この戦いは負けるだろう、、、。
頭を悩ませながら自室へ戻った
しばらく古いベッドの上で転がっていると兵士達が騒がしくなってきた。
「いよいよ開戦か、、、。」
フィリップス・フォン・ヘインズ中将率いる西方軍は木製艦艇120隻
対するコールティア守備軍は木製艦艇17隻小型艦艇11隻であった。
ヘインズ中将は艦艇の量の差に気を良くして艦列を崩そうとした。
こいつはもう勝てないだろうなと、思っていると自室に数名の兵士がやってきた。一人は知り合いのバルツ・ミュラー准尉だった。
「どうしたんだ准尉、突然。開戦は間近だぞ」
「失礼しました、大尉。実はこの戦いに負けると、大
尉殿が仰っていたとお聞きしまして」
俺は本当のことを伝えてやった。すると、
「大尉、有志を集い、この戦いから逃亡することにし
ました。小官は死にたくはありません。大尉殿も小
官らと共にこの無意味な戦いから逃亡しません
か?」
ミュラーの言う通りではあったが、この場から逃げ出すのは至難の技だ
だが、このまま死ぬのも困る、実質ホルツバウワー少将にはクビにされたようなものだし、出て行っても気づかれにくいだろう。幸い、家族もいないし国に未練はない
「わかった、では、この無意味な戦いから逃げることにしよう!」
ミュラー達が事前に準備していた艦艇搭載の小舟にのり、開戦直前に反対方向に船を走らせた。