個性メガ盛り教室
今日も特に生徒会の仕事はない。先輩が終わらせてしまうため、仕事が回ってこないのだ。
ちなみに、ここでの先輩には夢山先輩も含まれる。エクセルを使えない割にはほかの仕事はバリバリこなす。しかし、何度でも言うが、彼女はエクセルを使えない。エクセルを使えない。会計なのに。いくらでも言おう。生徒会役員の会計担当なのにエクセルを使えないのが夢山栗香という女なのだ。
そろそろ言うのも飽きてきた。
「にしてもクラス展の人数不足解消できてよかった〜」
「そーだな。俺らのクラスほんと男子しかいねぇもんなぁ」
そこで夢山先輩はちらりと僕と優奈を見る。
「メイド衣装の2人…だめだ…私絶対手出す…絶対『ピーーーーーーー』とか『ピーーーーーーー』する……」
「っとまぁこんなふうに夢山を止めるのが俺の仕事だ」
呆れ顔の青貫先輩の手にはP音が録音されたレコーダーが握られていた。
って言うか逃げていいかな。P音入るってなかなかだぞ。
まず顔がやばい。よだれを止めろよだれを。そしてその絶妙なニヤケ顔をやめてほしい。
「もう私だけの専属メイドになって?」
「時給いくらすか?」
「860円」
「丁重にお断りします」
「なんでー!?」
ハンバーガーショップか。1時間で800円ちょいポンと出せる夢山先輩の経済力が怖いなぁと思った。
そんなこんなで、僕は何気ない毎日を過ごしている。
にしても、僕のクラスは曲者ばかりだった。
まず、例えば物理の時間の時。
「……有栖川のやつ、また寝てやがる…」
クラスメイトの有栖川時兎である。
大きなうさぎのぬいぐるみを持ち歩き、それを枕にして寝ている。僕は彼女が物理の時間に起きているのを見たことが無い。芸術選択科目は美術で、名前通り童話が大好きで、国語の授業は目を輝かせて受けている。ちなみに古典は例外。
その古典が好きなやつもちゃんといる。
赤崎白雪だ。厨二病のチビ。
僕も小さいが、時兎はさらに小さく、そのさらに小さいのが白雪。身長をバカにされると怒る。
まぁ、古典が好きとは言ったが、実力としてはなんでも出来るオールマイティである。体育は例外。芸術選択科目は書道。
有栖川は出席番号が2番のハズなのだが、2列目でよく寝れるな。すやすやすやすやと。
ちなみに現段階でキャラデザが完成しているのは有栖川だけだったりする。メタいなこの話。
どうでもいいし言うの遅いんですけど、中学時代に優奈をいじめていた3人には一応全員フルネームがあります。どうでもいいですね。はい。僕あの3人嫌いですし。