砂
掲載日:2019/02/07
祝福の鐘が鳴っているの?君の?あなたの?
まだ大人じゃない人が、公園で遊んでいる。誰もが鐘の音の行き先を探していた。ねぇ、何のために?
私は砂場を引っ掻いて、風化した名前を探している。
私はまだ、大人じゃない。祝福の鐘の鳴らし方は分からない。
少しだけ、私と空白があると、あなたは指で机をとんとん鳴らす。
葉を揺らす風に乗り、鐘の音がさざめいている。
今だけ、私と目が合うと、君は見えない誰かを探し始める。
いつになく、強い風により、煤けた掌に消された言葉の轢死体が渦巻き始める。もう、大人になるの?
爪の間から砂を溢し、捨てられるだけの塵に哀悼を混ぜていく。
幸せなあなたに。愛された君に。例え屑でも、星の欠片なら安息の島にはなれる。
誰も彼も、煌めく欠片に魅せられて、祝福の鐘を鳴らしているのですね。もう、大人なの?
私はもう少し、このままで。
失明と失語に魅せられて、私だけの砂漠の中へ。
そう、砂と塵で祝福の言葉を書けるように。風に飛ばされないように。砂のさざ波に転がり遊ぶ。
悲しい絆だけが、名前が消えた砂漠に足跡を残していけ。




