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本音と話

お待たせしました。

「で、これからどうする?」

「そうね。1度帰りましょうか。」


ということでおれ達は1回宿に帰ることにした。


帰りの帆馬車内。


「夜空君は部活とかやってたの?」

「あー。高校に入ってからは帰宅部だな。」

「高校に入る前は?」


「バスケと水泳部に入ってたよ。」

「掛け持ち?」

「そうだな。今思えばなんてハードスケジュールなんだと思うけど…。」

「あはは。そりゃ、運動部掛け持ちじゃそうなるよ。」


今は異世界に来て、体力とか物理攻撃力とかは上がっている。

中学生の時に運動部掛け持ちが出来る体力があったことに俺は驚きだ。


「そういう言えば、夜空って友達はいたの?」


聞き方に悪意を感じるがまぁいい。


「いたよ。少なくとも本音で話し合える相手はな。」

「私たちとは本音で話してくれてる?」

「そりゃそうだろ。コミュ障だから、信頼できないからと言って話さないようじゃすぐに死ぬぞ。ここは異世界、安全な日本じゃない。」


日本にいて外国に飛ばされたと言うならまだそうしていた可能性はあった。


けど、ここは弱肉強食の異世界。

この先何があるか分からない。


魔神族の力を持ってしても解決できない事態だって起こる可能性だってある。

そんな時に、信頼出来る仲間がいないと俺は不安で狂ってしまうだろう。


『マスターも日に日に逞しくなっていくの。妾はマスターの成長が楽しみじゃ。』

『楽しみって言ったって俺は別に魔神王になるつもりはないぞ。』

『では、そこにいる娘達が誘拐されて魔神王にならなければいけなくなったら?』

『速攻なるな。』


なに常識を聞いているんだ?

仲間がピンチだったら己の身を犠牲にしてでも助けに行くだろ。


それが女の子だったら尚のこと。


「夜空君?どうしたの?ボーッとして。」

「少し疲れてるのかもな。」


なんせ、買い物の後すぐに来たからな。


買い物といっても俺の腕が見えなくなるまで買い物したんだ少しでも体にダメージはある。


「しかし、まだ慣れないなー。」

「この生活?」

「うん。だって前の世界じゃ女子はいたけどこうやってひとつ屋根の下一緒暮らすとか考えてなかったし。」

「そんなこと考えていたら変態ね。」


まぁ、確かに。


葵達と出会って今日で6日目。


1週間も一緒にいれば一緒にいることにはなれるが、一緒に寝ることはまだまだなれない。


当たり前か。


「そうだ。帰ったら二人に話がある。」

「どうしたの?改まって。」

「大事な話だ。しかも結構スケールがデカい。」

「そう。なら真面目に聞くわ。」


俺は決めた。

二人にヘルムのことを話すということを。


最初は話すか迷っていた。


まだこの世界に来てまだ、一週間とちょっと。

この世界についてもまだ蓮華が調べてきた情報しかない。

そんな中、俺のことを話していいのかと思っていた。


けど、二人はこの世界で唯一無条件の信頼が出来る仲間だ。


だから、話そうと思った。


それから、他愛ない話をしていると王都に着いた。


話は夜にすることにした。


その方が落ち着いた雰囲気で話せるからそうした。


それまでは買い物をするそうだ。


「またするのかよ!もういいよ。」

「せっかく異世界に来たんだから楽しまなきゃ損だよ。」

「そりゃ、葵達は楽しいかもしれないけどおれは暇なんだよ。」


おれはファッションに興味があるわけではないし別に買いたいものはない。


「なら、夜空は本屋にでも言ってくればいいんじゃない?」

「本屋かー。って、この世界の文字読めないし。」

「そうだったわね。」

「じゃあ、夜空君に服を選んでもらったらいいんじゃない?」

「いやいや、おれにそんなコーディネート技術なんてないって!なら、おとなしく外で待ってるよ。」


「そう。なら行きましょうか。」


なんだろう、このもの凄い、はめられた感。


葵達はまたしても服屋に入り二人とも仲睦まじく服を着せ合いっこしている。


この世界は日本と違って服の種類はそこまでない。

しかし、そこは女子高生。


違う服を組み合わせておしゃれに着こなしてる。


おれはというと外のベンチでボーっと空を眺めながらヘルムと会話している。


『ヘルム。お前が見ていた世界はこんな平和だったか?』

『まさか、こんな平和な訳はない。もっと殺伐とした世界じゃ。人は狂い殺し合い、どこかで火の手が上がっていたの。我らの戦争は人間同士戦争とは規模が違うのじゃ。失われた古代魔法を使い、禁忌とされた術を使いこの地上は灰塵と化した。』

『そりゃそうか。ヘルムの時代は戦争の時代か。なら、この世界は羨ましいか?』

『そうじゃな。実に羨ましい。我が生きていたら歳は兎も角としても見た目はあの娘達と同じ位の見た目になっていたはずじゃからの。』


歳は兎も角ってさすがロリババア。


『聞こえているぞ。』

『実際そうだろ?』

『乙女に歳を聞くのは野暮というものじゃろ。』

『乙女って歳かよ。』


『この肉体を内側から破壊してやろうか?』

『あの、マジすんません。内側からはやめてください。』


外からなら魔神の力で勝てるかもしれないが。

内側からではなにも出来ない。


『これに懲りたら乙女をいじめるのはやめるのじゃな。』


いじめられれるのはおれの方のような気がする。


そのままおれは空を見つめながらヘルムと話した。


「夜空君。お待たせ。」


おれがヘルムと話していると服の袋を手に下げた二人が店から出てきた。


「早かったな。」

「そう?」


腕時計を見ると丁度5時だった。


ん?5時?

「二時間も買い物してたのかよ。」

「そうだよ?だから、そう?って聞いたんだよ?」


やべぇ。ヘルムと話し過ぎたな。


「ずっとボーっとして何してたのよ?」

「ちょっと考え事。」

「そろそろ丁度いい時間だから帰りましょうか。」


俺達は宿屋に戻った。


今の宿屋の宿泊客は俺達だけだ。


それは、王都から西に行った森でモンスター達が暴れているらしくほとんどの人はそっちに向かっている。


おれ達はそこまでお金に困っていたりレベルが足りないということはないので王都に残ってゆっくりしている。


「あー。疲れたー。」

「ずっとベンチに座ってただけじゃない。」

「それでも、疲れるんだよー。」


「さて、本題に移りましょうか。」


蓮華の目が変わったのが気配でわかった。


「話す。」


「水龍に襲われた時。確かにおれは絶命したんだ。それは、その場にいた葵が知っている。」

「この世界に来て、少なからず身体能力は上がっているけど心臓を貫かれたら死ぬ。」

「おれは死んだはずだった。けど、ヘルムと名乗る魔族から魔神族の能力を受け継いでおれは生き返った。」

「おれは≪素質を持つ者≫なんだそうだ。」

「それからは葵が見た通り、水龍を撤退させたということだ。」


「なるほど、急に強くなったり時々ボーっとしてるのはそういうことだったのね。」

「強くなったのは、魔神族の能力を受け継いだから。ボーっとしてるのは、ヘルムと話しているから。」


「じゃあ、水龍の時のバリアは?あれも魔神族?」

「いや、あれはおれの能力。≪安全地帯≫って言うんだ。守れるけど被ダメは倍加しちゃうけどな。」

「それ、使うの禁止ね。」


やっぱりかー。


まぁ、もしもの時は使うけどな。


「で、ヘルムって子は少年よね?」

「いや、少女だな。」


正確にはロリババア。


「ヘルム。現界できるか?」

『いいのか?わらわが出れば後戻りはできないのじゃぞ?』

「それでいい。二人には嘘はつきたくないからな。」

『わかった。』


しばらくしておれの影が伸びてヘルムがおれの中から出てきた。


黒髪を腰の長さまで伸ばしていて紅い目、まだ低い鼻、幼いが色香を感じる唇をを持ちながら、身長148㎝と小さくそれに見合った胸を持っている。


そんなロリっ子がおれの隣に現れた。

これからもちょくちょく書いていきます

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