観光と亀
この話を投稿したらこの小説は少しお休みすると思います。
理由は後書きで。
馬車に揺られること数日。
やっと王都が見えたきた。
「なげー!長すぎる!道中めっちゃ暇だった。」
道中は特に盗賊が現れるとかモンスターの大軍に襲撃されるということもなく、ただただ平和だった。
「ん、着いた?」
葵は葵で寝てるし。
葵が寝てからはずっと蓮華の相手をしていた。
「確かに長いわね。現代じゃ車とかバスが当たり前のように走ってたしそんなに時間もかからなかったしね。」
この世界じゃ勿論車もバスもはしってない。
バスとか車のありがたみが物凄く分かった。
王都に入るには税金がいるらしい。
1人銀貨5枚。
3人で銀貨15枚。
意外と安いな。
門番にぼらないかと聞いたところ。
「そんなこと出来るわけない。税の徴収額は決まっているし勝手に税を上げたりしたら国家への反逆に等しい。だから、そんなことは出来ない。ま、それなりの給与を頂いてるから生活に不自由はしてないからな。」
との事だった。
良かった。治安が悪い王都だったら魔神の力で滅ぼす所だった。
『マスターも中々に染まって来ているの。』
そんなことはないと思うけどな。
国民が幸せに暮らせるようにするのが国家の役目であり存在意義と考えている。
国民が不自由で不幸せな国家など滅んで当然と言えなくもない。
検問を抜けたおれ達は馬車もとめとける宿をとった。
「さて、これからどうする?」
取り敢えず王都に行くという目的で動いていたから目的がなくなってしまった。
「適当に観光でもする?」
「うん。それがいいよ。」
「じゃそうするか。」
おれ達は目的が決まるまで観光することにした。
現世に妹か姉又はその両方がいる人は分かると思う。
こういう時って大体男は荷物持ちだよね。
だって今現在進行形でそうだもん。
二人が買った服とかを持たされている。
当の二人は楽しそうにパンフレットみたいなやつを見て次あそこ行こうとか話している。
買っているのが服とか軽い物で助かっている。
今のところは。
いくら服と言えど確かに重量はある。
だから、そのうち重たくなってくる。
「あのーお二人さん。買うのは構わないがおれに預けるのは辞めて頂きたいんだが。」
「私達は買い物で忙しいし役得なんだからそれくらい我慢しなさい。」
自分で役得とか言うかね。
いや、まぁ、そうだけどそのせいでさっきから通る人の視線が痛い。
中には舌打ちするような輩までいる。
一応常に警戒してるから奇襲はないとは思うがそれでも心配だ。
「どうしてこうなった。」
おれはそう言わずには居られなかった。
買い物が終わった時にはおれの腕が見えなくなるほどの荷物があった。
宿屋に荷物を置いてまた街に出る。
まだ日は高い。
腕時計では丁度12時を指している。
「今丁度昼だからなにか食べよう。腹減った。」
「そう言えば私も。」
「そうね。そうしましょ。」
王都というだけあって屋台やら露店が至る所に出店している。
「あ、これ綿菓子みたい。」
「でも、そこまで甘い訳では無いわね。」
昼飯一発目が綿菓子かよ。
よく食べられるな。
すきっ腹に甘いもんなんかいれたらお腹壊す。絶対。
おれは焼き鳥みたいなやつを買って食べた。
「夜空君は好きな料理とかある?」
「そーだなー。王道だけどハンバーグとか。」
カップ麺生活が長いおれだが時々姉貴が気まぐれでハンバーグを作ってくれる時がある。
不格好だったり焦げたりするがそれはそれで手作り感があっていい。
といってもほんとに時々で3ヶ月に一回あるかどうかだ。
「意外と子供ね。」
「ほっとけ!てか、それただの偏見だから、全国のハンバーグ好きに謝れ!」
「夜空君はハンバーグが好きっと。」
葵はなにやらメモしているがメニュー案でも欲しかったのか?
ま、いっか。喜んでるみたいだし。
王都1日目は葵達の買い物で1日は過ぎていった。
王都2日目。
今日は王都でクエストを受けようと思っている。
受けるのはタイラントタートルだ。
タイラントタートルはそこら辺にいる亀がモンスター化したものだ。
亀といって侮るなかれこのモンスターは亀の弱点を失くしたモンスターだ。
つまり、弱点がない。
亀の弱点と言えば後ろに居れば攻撃が当たらないというものだがこのモンスターは首が伸びて攻撃してくる。
しかも、その顎の力はワニ以上で噛まれればすぐに腕を失くす。
ワニガメのデカくて凶暴化したやつと考えればいい。
そのモンスターは王都から近い湖にいるという。
「湖か。あまり気が乗らないな。」
「そうだね。あのことを思い出しちゃうとね。」
「そっか。夜空と葵は水龍と戦ってるんだものね。」
また、違う水龍とか出てきたら即刻退場願おう。
この前はたまたま葵を守れたけど今度また守れるかわからない。
もし、葵や蓮華が誰かに誘拐された殺されたとなればおれは自制心を捨てて魔神の力全てを使ってこの世界を[破滅]に導くだろう。
それくらいの覚悟はあるつもりだ。
『マスターはそんなに過激な思考の持ち主だったか。《素質を持つ者》なのも頷けるの。』
『意外と冷たいとは言われるな。けど、それは、敵に対してだ仲間にはそんな事しないぞ?』
『優しいのか冷たいのか分からないの。』
これが普通だと思うんだけどな。
ヘルムと話している内に湖に着いた。
『どうだ。水中に敵はいるか。』
『いや、おらぬな。水中には魚とこの湖の主しかおらぬ。主も温厚な奴じゃから心配は無用じゃ。』
『そうか、ありがとう。』
おれにも一応索敵スキルはあるが魔神族であるヘルムの方が圧倒的に性能がいい。
「よし。早く探して帰ろう。」
ここの湖は水龍と戦った湖とは違ってジメジメしている。
長居したいと思えるような場所じゃない。
『マスター。前方10m範囲に3体おる。相手はこっちには気づいておらぬ。叩くなら今じゃ。』
『オケーありがとう。』
「前に敵が3体いる。まだこっちには気づいてないからこれから奇襲する。援護してくれ。」
「「分かった。」」
二人の返事を聞いておれは亀に突っ込んだ。
強化された足でのスタートダッシュは宛ら弾丸の様だったと思う。
おれは亀たちに気づかれる前に2体の首を落とす。
一体が気づいておれに攻撃しようとするが蓮華が放った3本の矢によって妨害され葵の緑魔法で転がされた。
いくら首が伸びるといっても転けておれにぐるぐると回転させられて三半規管が約立たずになった状態で相手を攻撃など出来ない。
亀は為す術もなくやられた。
「相変わらずめちゃくちゃね。」
「速いし、強いし硬いし。ちーとだね。」
「そうか?まぁ、この世界にきて色々強化されてるからな。当然だ。」
実際はヘルムの能力を引き継いだことでステータスの一部も受け継いでいる。
特に速さと攻撃力は魔神族随一のヘルムのステータスを引き継いだせいで数値化したら凄いことになってそうだ。
めんどくさいからやらんけど。
「夜空君の強さって水龍と戦ってから上がったよね。」
「そう言えばそうね。夜空、水龍との戦いでなんかあった?」
その言葉に少しドキッとした。
「いや、水龍にやられて瀕死になったぐらいで他は何も。」
「そう。」
何とかごまかせた様だ。
しかし、明らかに二人はおれの急激な戦闘力上昇を不思議に思っている節がある。
これは早々に話した方がいいかもしれないな。
この時葵が少し悲しい顔をしていたがおれは気づかなかった。
さて、理由ですがネタ切れと知識不足です。
この作品はほんのちょっと恋愛要素も入れようと思っていますので少し勉強します。
でも、
本編『最強は異世界でも最強ですか?』
を執筆中にちょこちょこ書いていきたいと思っています。
楽しみにしていて下さる皆様。ホントに申し訳ありません。