正義ノ創リカタ
正義は2つの方法で創れるって知ってるかい? 嬢ちゃん。
ハハハ!そんな、嫌そうな顔するなよ、嬢ちゃん。
嬢ちゃんのお仕事に喧嘩売るようなこと言ってすまねえなあ。いや〜聖職者っつー仕事もメンドクセェこったなあ、嬢ちゃん。
まあいいや。話に入ろうか、嬢ちゃん。
正義ってのは、2つの方法で創れる。
1つは、数だ。
どんだけ正しいーーーーいことでも、70億人の人間が『正しい』って言ったら、どんだけ間違っていようが『正しい』んだよ、嬢ちゃん。
学校で、みーんな「Aが正解!!」って言ってたら、嬢ちゃんが「Bが答え」だって思ってても、「Aです」って言いたくなるだろォ? そういうアレだよ、嬢ちゃん。
2つ目だ。
もう一個は、主張だよ。言ったことはぜーんぶ正義になるんだよ、嬢ちゃん。
バカにしてるのかって? してないんだよなあ、ハハハ! 可愛いなあ、嬢ちゃん。
例えばだ、連続殺人とか、通り魔とかあるだろ? 怖いよなあーアレ。ハハハ!気をつけなよな嬢ちゃん。
愉快犯ってさ、みーんな口を揃えて「狂ってる」って言うけどよォ、犯人からしたら、それは自分の中での正義に従ってるだけなんだよ。
だから、周りがどれだけ喚こうが、そりゃ正義だ。
戦争なんて、「可哀想だから目の前の人に殺されます。アーメン」とか言わねーだろォ? 目の前の奴を「国のため」とかいう正義に従ってぶっ殺すだろ?ハッハハハハ!
3つ目にだ、あっ、3つ目か、まあいいや。ハハハハ!すまねえなあ、嬢ちゃん。
その時の環境だよ、嬢ちゃん。
さっき戦争の話したろ、それいい例だ、嬢ちゃん。
環境、極限状態、それによって、「アリエナイ外道」が「アリエル人道」に変わっちまうんだよ、嬢ちゃん。サバイバルとかな。
さあああああああああああて、長い話をしたな。そろそろ終いにしょうか、嬢ちゃん。
ここには俺の『お仲間』がたくさんいて、俺達の『言い分』が通って、誰も寄り付かない『場所』だ。
嬢ちゃん。
お嬢ちゃんの『正義』はここでは、淘汰される。
お嬢ちゃんの『正義』のために、お嬢ちゃんは頑張ったんだろうけど。
俺達には、『悪』なんだよ。
まあ、なんだ。
どこに骨埋めたい?
嬢ちゃん。