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 わたしは躊躇無くそこに降り立った。

 上の地下鉄となんら変わり無い地下鉄だが、空気がイヤに澄んでいる。

 濁りが無いものが全て良いワケではない。

 濁りが無いからこそ、染まりやすいというのがある。

 そう―闇に。

 わたしは明るい駅の中を歩き、駅員室に向かった。

 部屋には複数の話し声。

 ドアをノックすると、明るい男性の声が返ってきた。

「お~。ルカ、今日もお疲れさん」

 まだ二十代の若い男性駅員の彼は、わたしの親戚である。

「やっほ、シヅキ。今夜もよろしくね」

 親しげに話しながら、駅員室に入った。


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