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「そうだね。ここらは特に、霧が濃いから」

「…慣れてますね」

「だてに二十年以上もここにいないよ」

 にっこり微笑み、あたしにサンドイッチとおにぎりを渡してくれた。

 どちらもコンビニのものだ。

「あっ、どうも」

「これを食べて、今日はゆっくり休むといい。まだバイトは続くんだからね」

 あたしは笑みで返し、部屋から出て行った。

 そして電車に乗り、目的地で降りた。

 ここから歩いて十分もしないところに、あたしの借りているマンションがある。

「けど、霧がスゴイなぁ…」


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