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わたしはその『迷子』を、正しい所へ案内するのが役目だ。

今日も地下にしては明るい駅の中を歩く。

一般の地下鉄と違って、売店やどこぞの宣伝ポスターなんかは無い。

ただただ壁が続くだけ。

入り口は決まっていない。

地下鉄に乗れるモノの前に、入り口は現れるから。

無音の中を歩いていると、現実味が無い。

…いや、これは皮肉だろう。

わたし達の血族こそ、現実味の無い存在だ。

でもまだわたしはマシな方。

従姉妹のマカは、それこそ感情が壊れそうなほど重い血族の運命を背負わされているのだから―。


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