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準備(?)
「よいしょっ、と」
俺の席の近くに、広目さ……じゃなかったな、才華が椅子を持ってきた。
「これで準備オーケー、っと」
いや、全然OKじゃないよ!?
みんなこっちを好奇の目で見てるよ!?
「じゃ、始めていいかな?」
あ、もうダメだ。こいつ気付いてない。
「あれ、真平くん?」
「……もう始めていいよ」
「?」
俺の態度に才華が首を傾げる。
いや、不思議なのはあなたですよ。
「それじゃ、もういいなら始めるね」
……やっとか。
「えーっと、どこから話せばいいかなー」
……それくらい考えておけよ。
「あ、なんかごめんね。私、身内以外とあんまり話したことなくて」
……言葉にひっかかりを感じた。
いい話にはなりそうもない。
「なんか、変に緊張するー。…それじゃ、私が幼稚園に通ってた頃からにするね」
見やすくする方法がいまいちわからん……。




