交代
しばらく広目さんは考え込んでいた。
それにつられて、俺も静かに次の言葉を待っていた。
何考えてるのか。すごく気になる。
いろいろ考えているうちに、広目さんが話し出した。
「それ、いいな……」
え?
「いいな~……」
ポツリと羨ましそうに呟いている。
『普通』がいい……か……。
俺には考えられないな……。
そんなの人次第なんだろうか。
「どうして『いい』と思うんだ?」
とりあえず疑問をぶつけてみる。
「ん?」
どうやら、耳に届かなかったらしい。
「あー、なんで『いい』と思ったのかなって」
「あ、そういうこと。うーんと……」
「話したくないなら、無理に話さなくても……」
「あ、そうじゃなくて。……説明しづらい、かな?」
説明しづらい?どんな理由なんだ?
「なんだか、余計気になってきたな」
「んー。じゃあ、今度は私が話をするね」
「広目さんの話?」
「うん、そう」
面白くなってきたな。
「じゃあ、聞かせてくれる?」
「うん……って、立場が逆になっちゃったね」
言われれば確かに。
「もちろん、いいよ。そのかわり…‥」
「そのかわり?」
「私のこと、『才華』って呼んでほしいなー。なんか『反目さん』って重々しいというか」
なんだそんなことか。って、入学2日目から呼び捨て!?
正直キツいな……。
それで悪い噂が流れないといいけど……。
「それでいい?」
う、仕方ないか。
「……うん、了解」
「よし、それじゃ早速始めたかったけど……。時間だね、残念」
時計を見ると、次の授業が始まりそうだった。
「ああ、そうだな」
「それじゃ、この後ということで」
「わかった」
……既視感が。
書けば書くほど残念な文章に……。
自己満足でもいいから書き切ろう。




