運命の決定
そして、運命の翌日……。
「で、どうだったんだ?」
学校に来て早々、俺は才華に尋ねた。
「なんと……、OKだって!」
「お~」
少し驚いたな。
ほとんど話もしたことないやつに誘われて、承諾するか普通。
「なんか、二つ返事でいいって言ってくれて……」
「おぉ、よかったな」
「でもね、不思議なことがあって……」
「不思議なこと?」
「うん。なぜだか、言う前からこっちの事情を知っているような素振りで……」
「え?このこと、俺以外の誰かに言ったことあるか?」
「ううん、真平くんにしか言ってないよ?」
……だとすると不思議な話だ。いや、不思議な人間か?
まぁ、不思議な人間なんてたくさんいるがな……。
例えば、ここにいる俺と才華だってそうだし。
「真平くん、どうかした?」
「あぁ。なんだかそいつ面白そうなやつだなって思って」
「面白そうかどうかは別にして、いろいろと変な人なんだよね……」
「『変』……?ん、そういや性別すら聞いてなかったな……」
「あ、ごめん。言ってなかったね。5組の男子だよ」
5組。俺らが2組。会う機会は少なそうだな。
「えっと、部活っていつからだっけ?」
「水曜日、つまり明日からだね」
ずいぶんと早いなおい。
「申請とかは?済ませたのか?」
「あ、うん。真平くんに改めて入るか確認すべきだとは思ったけど、時間がなかったから省いちゃった。ごめんね」
「いや、それならいいんだけど。それにしても明日か」
「明日だね……」
何かあるのかな。いや、ない方がいいのか?
しばしの沈黙の後。
「それじゃ、ホームルーム始まっちゃうからこれで」
「あぁ、そうだな」
「明日、楽しみだね」
「ん、まぁそうだな」
ちょっと返事につまってしまった。
才華が自分の席に戻っていく。
「本当、どんなやつなんだ……?」
明日になればわかるんだろうけど……。
早く明日が来ないかな……なんて、子供みたいなことを思った。
――そして水曜日
俺は、そいつと忘れられない出会いをしたのだ……。
《1章 出会い》 終
突然ですが1章はこれで終わりです。
突然すぎますね、はい。
しかも、気になるところで終わらせられるという。
さらに…………申し訳ないのですが、一旦ここで休載させていただきます。
続きが気になっている方には本当に申し訳ないです。が、これからの構成を考えていくには時間が足りないので……。
多分、夏休み前には投稿できるんじゃないかと思います。
では、また次の機会に。




