休日の一コマ
日曜日、俺は買い物に出かけていた。男だって買い物はします。
授業に必要なノートやらペンやらを買いに来たわけだが……。
「あれ、真平くん?」
聞き覚えのある声がしたかと思うと……、
「あ、やっぱり。偶然だねー」
……どうしてだろうか。
普通に考えると偶然なのに、才華に関することだと必然だと思ってしまう。
「どうして黙ってるの?」
それだけ才華には、不思議な力のようなものがあるのだろうか。
「ねぇ、真平くん!?」
まぁ、いいか。買い物に戻ろう。
「返事してくれたっていいじゃん……」
「…………あ。ずっと考え事をしてた」
「あ、やっと話してくれたー」
ほっとした顔で言う。
「で、才華はここで何をしてるんだ?」
「うーんと、本を買いに来たんだけど……」
「だけど?」
「売り切れでね。別の本屋に行こうかどうか悩んでる時に、真平くんに会ったの」
「ふーん」
「で、そういう真平くんは?」
「俺はノートとかかな」
「『普通』だねー」
余計なお世話です。
「んー、決めた!もう1軒回る!」
「そうか。それじゃ俺も買い物に戻るか……」
「ねぇ、真平くん。ノートって本屋さんでも買えたりするよね……」
何か悪いことでも思いついたような顔で言う。
「まぁ、買えるには買えるな」
「というわけで、一緒に本屋に行こー!」
そんなことだと思ったよ……。
「いいぞ、どうせ暇だし」
「え、いいの?断られるかと」
「才華の言う通り、本屋でも済ませられる用事だからな」
……本音を言えば、休日に女子と居られるイベントを逃したくなかったのだが。
「それじゃ、レッツゴー!」
元気だな……。
その時、俺は夢にも思わなかった。
まさか10軒も本屋を回ることになるとは。
はい、わかりやすいほどの繋ぎの話ですね。
こういう話は書きやすいです(笑)
さて、1章が終わるまでもう少しです。
もう少し、ご辛抱願います。
(あまりテストの結果が芳しくなかったのですよ……)




