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Ⅲ変わりやしない日常(9)

 投稿サイトに「なろう系」の物語を書いたところで、どうにもならないのは分かってる。そもそも金にしようなんていうよこしまなことを考えているから、うまくいかないのだ。

 

「金にもならない、何にもならない」


 暫くの間、書いてみたが読者の存在は見えない。

 ただアクセス数を見ているだけで、反応のない「なろう」の世界を続けていく。

 どんどん意欲がそがれていく。


「それは自分が無気力に表現しているからでしょ」


 無気力な表現をするから、読者の心に刺さらないし、ただ漠然と続けているだけのものになってしまっている。表現するということは、多分、そういうことじゃない。

 

 EX-Shoppingビルから飛び降りた、麻薬を吸っていた2人の女子高生……。彼女たちの悲劇を作者がどうかすることはできない。


 どうもできない? 

 いや、何かできるだろ。

 そう思うことは傲慢じゃないのか?


「表現したろうじゃんよ」


 迷いを確認したところで、何も変わらない。何かを変えたいと思うなら、自分にできることを探してやるしかないのだ。


 「なろう」系という異世界転生ものを書くことで、何かが変わるなんて誰も思いはしない。そして、作者のページなんて殆ど誰も見ていない。それは絶望するところじゃない。見方を変えればいいのだ。

 何を書いたって誰も見てないのだから、思いっきり思うがままに表現してやろうと思った。


 人気のある作家だったら、思うがままに表現なんてできなくなってしまう。読者の目というのは、ただふんふんと受け入れてくれるだけではなくて、批判や批評という力も持っている。その影響を受けながら、自由な物語を構成していかなければならない。その束縛は、作者にはないのだ。

 

 こんな風に思うのは、表現の自由が何か不自由になってきたのを覚えるからかもしれない。嫌な環境だ。



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