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Ⅱ旅が始まる(15)

憎い……。そんなことを思ったってその思いは届かない。

バイトリーダーだって、決して楽な暮らしをしているわけじゃない。

たかだか、50円くらいのスーパーの特売に心を躍らせているのに、

偉い人たちの数百万円の贈収賄の話がニュースでは流れる。


 「あーもう、お金合わないよ」


レジ打ちの担当が、合わない現金と集計を合わせながらため息をついていた。

数字が合うまで、レジ打ちは帰られないというルールだ。

シフト制だから、残業すればそれだけお金になるけれども、

残業するというのは別に嬉しいことではない。


 「お先に上がります~」

 

 「えーいいなー。裏切者―」


裏切者、か。冗談を言うテンションだったけれども、その言葉を咀嚼すると、なんだか嫌な気持ちになる。

作者はその日、レジ打ちの当番ではなかったし、裏切りも何もそういう仕事は担当じゃない。

レジ打ちをする日もあるから、仕事の方法は分かってる。


 「何言ってんの。それはアンタの仕事でしょ。すぐに任せないの、カメリア」


作者の頭の中でアリアの声が響いた。

自分ができないことをレアルトに任せがちなカメリアに対してアリアならそう言う。

自分でやることによって、成長する。大変な状況にあるから、人は変われるのだ。

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