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Ⅱ旅が始まる(4)

 こういうのはずるい……。


(だから、ラーナスのパートナーさんは耐えられなくて、一緒にいないってことなのかな……)


ラーナスの本性を垣間見て、カタルパは悟った。


「なぁ、お前の見た日本ってどんなところだった?」


「どんなところ……? えっと……。学校があって……」


「学校?」


「そう、学校。それは木の2階建てで、あ、でも私は車椅子でいつも1階の教室だったけど……車椅子っていうのは、ラーナスには分からないか……えっと」


「……足が不自由で、車椅子に乗っていた。車椅子は、日本を見た時に見たことがある」


「ラーナスも日本に住んでたんだ?」


「いや? お前は日本に住んでたのか?」


「うん。名前はあず……」


ブワァァァァ。その時大きな風が起こって、カタルパの声が掻き消された。

カタルパは驚いたが、ラーナスは平気な顔をしていた。


「タブー……。話してはいけない言葉……があったのか」


「ヒズミのカミサマの力だ。共有してはいけない情報があった場合、それは掻き消される」


「えぇぇぇそんなことがあるんだ」


「日本とこの世界の間にはお互いに干渉しないための制約がある。それに引っかかる言葉や行為をすると、さっきみたいなことが起こる。カミサマのいたずら。気をつけろよ。状況次第では、破壊行為をしかねないことになるからな」


「あ、うん……」


木造建築の2階建の学校、その話をした時にラーナスは驚いた顔をした。

梓のいた町はそんなに大きな町じゃなかったから、木造の校舎は特徴的なのかもしれない。確かに、テレビだとか、漫画やアニメだと、今風の学校は鉄筋コンクリートのあまり特徴のないものだし、梓たちの学校のような校舎というと、時代物の物語の中で描かれるような感じだった。





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