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Ⅰ大人になる(39)

 だからといって、レアルトに策があるわけではなかった。

ただ、少なくとも、カメリアやカタルパよりは男の自分の方が強い。だから、彼は立ち上がった。


「まずい」


そう言って、レアルトは2人の前に躍り出た。けれども、手段があるわけじゃない。


「何とかなんだろ」


腰を落とし、腕を突き出して向かってくる三屋の悪意のエネルギーに相対した。

レアルトは運動が得意というわけではないし、鍛えていたわけではないから、身体はひょろひょろだ。


カタルパは、それを見て自分にできる事をしなければと思った。


「光の聖霊よ。この世界を照らすものよ。かの者、レアルトに剣を授けたまえ」


始まりの村で聞いた祝詞、それを真似てカタルパは精霊に呼びかけた。

言葉と思い、それがうまく重なれば、願いは実現する。


レアルトの右手に光の剣が現れた。それは、剣というよりもただの棒だったけれども、十分だった。

目の前の敵、怨念となった三屋を倒す。


「いけぇぇぇぇぇ」


レアルトは無我夢中でその剣を振るった。

怨念は剣に触れるだけでその姿を保てなくなり、消滅した。


 そして、観光案内所は消えて、白い空間に3人になった。

その空間で震える椿にカタルパが手を伸ばして名前を呼んだ。


「カメリア……。私は、ここだよ」


そうか、今までのは悪夢だった。過去は悪夢になったんだ……。

金色になった髪、それはもう椿ではない証。それを見て、カメリアはよかったと思った。




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