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Ⅰ大人になる(25)
光と音による演出。それによって、梓は舞台で輝いていた。
「うわぁ。すごい……」
七色の光、その中で輝くCGの梓。
何重ものレイヤーを重ねられた音。その響き方は、ホールで一番美しく聞こえるように調整されていた。
カタルパはそれを見ていた。
「ありがとう、貴くん、椿ちゃん……」
身体はとても軽かった。天井がとても近くてそれで気が付いた。
梓には身体がない。
そっか。死んだんだ。
断片的な記憶だけが出てきて、それで物語は終わった。
カタルパも異世界、しかも貴と椿と同じ世界から来た人間だった。
今度は五体満足な幸せな身体。
そして、貴と椿と同じ世界にいる。
目を覚ました時、そこは暗い洞窟の中だった。
試練の洞窟にはいったのだからそれはおかしな話じゃない。
2人はどこなんだろう。
レアルトとカメリアは。




