24/66
Ⅰ大人になる(24)
カタルパは梓を見ていて可哀そうだと思った。
カタルパのように元気に毎日を過ごすことができないから。
それでも、梓はカタルパよりも嬉しそうなんだ。
貴や椿という友達がいて、ううん、友達なんていう言葉じゃ表せられないくらいの関係……。もっと大事な二人が居て、大変な状況なのにずっと笑ってた。
それがどんなに尊いことなのか、五体満足なカタルパには分かる。
だからこそ、梓の強さも分かる。
脚が満足に動かなくても、身体が動かなくても、心は自由なんだ。
苦しいこと、悲しいこと、そういうことを全部見せない。
苦しい境遇の梓だからこそ、笑顔がより洗練される。
それが分かっていて、そういう風にふるまっていた。
その梓を支えてくれていたのが、友達である貴と椿……。
どんなに悲しいことがあっても、辛いことがあっても、
最高のエンターテイメントを作る。
梓にとって二人はそういう同志だった。




