6話『母親として』
その言葉に国王は怪訝そうな表情を浮かばせる。
「何故?そのような事を?」
意味が分からないと言った様子で首を傾げる国王に
私は告げる。
「あの子は勇者である前に1人の人間なの。
だから私はあの子に人としての在り方を学ばせたい。」
その言葉に国王は驚愕の表情を浮かばせる。
「まさか。貴女がそのような事を口にする日が
来るとは。」
「私は魔女である前に1人の母親よ?
そんな私が子供の成長を支えるのは
当然の事でしょう?」
その言葉に国王は納得したように頷く。
「そうゆう事でしたら。喜んで協力しましょう。」
「それなら入学試験を受ける許可を申請して
貰えるかしら?」
「そんな事で宜しいのですか?私の権力を持って
すれば。試験を免除する事も可能ですよ?」
「子供の成長を願うなら。
信じて見守る事も必要な事よ?」
「それもそうですね。」
国王であれば簡単に試験の許可を得る事が出来る。
後の問題はどうやってあの子をその気にさせるか
になるが。正直そこが一番の問題点と言える。
本人がその気にならなければ。許可を得た意味も
なくなってしまう。そうなれば元も子もない。
それだけは絶対に避けねばならない。
「頑張って説得するしか無いか。」
そう言って私は深い溜息を吐くのだった。
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