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最強勇者の育て親  作者: 明希 光
第二章
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19話『オネット視点:切実な願い』

「死にたい。」


生きる事に絶望した俺はそんな事を呟く。


あの後リーシェには俺とシャロが恋仲であると勘違いされ、

その虚実が瞬く間に学園中に広まった。


故に――


「もう死ぬしかない。」


そんな事を自室のベッドで呟いた。その直後――


「それなら私が楽にして差し上げますよ?」


そう言って満面な笑みでナイフを構えるリナーシャさん。


「せめて。入るならノックしてくださいよ。」


俺は嘆くように吐き捨てる。


「私は今最高に気分が良いので。

特別に死に方を選ばせてあげますよ?

さぁ?毒殺か?刺殺か?絞殺か?

お好きな方を選んでください。」


「笑顔で物騒な事言わないでくださいよ。」


俺は命の危機を感じながらツッコミを入れる。


「冗談ですよ?」


そう言って笑うリナーシャさん。


(目が笑ってませんよ?)


俺は心の中でツッコミを入れる。


「それと。主様の誤解はきちんと解いて置きましたので。

ご安心を。」


「ありがとうございます。この恩は一生忘れません。」


「そうですか?なら私のお願いも聞いてくれますよね?」


そう言って不気味な笑みを浮かべるリナーシャさん。


その瞬間、俺は死を悟った。


俺は死を覚悟しながら頷いた。


「それは良かった。もしも断るような事があれば。

死よりも辛い地獄を味合わせてる所でしたよ?」


(だから怖いって。)


そんな事を心の中で俺は告げる。


「それでは私のお願いを言いますね?」


そう一拍を置きリナーシャさんは告げる。


「主様を1人にしないであげて欲しいんです。」


「えっ…」


思いも寄らない言葉に俺は思わず素っ頓狂な声を漏らす。


「主様は何もかも全てを1人で背負い込んでいます。

だから誰にも頼らず。ずっと1人で苦しんでいる。

故に誰もその苦しみに寄り添う事が出来ない。」


そう告げるリナーシャさんの表情は悲痛に歪んでいた。


「リナーシャさん。」


「こんな事貴方に頼むのはお門違いだと分かっています。

でも貴方にしか頼めないんです。

だからお願いします。どうか主様を救ってください。」


そう言ってリナーシャさんは土下座する勢いで俺に

頭を下げた。


「そんなの当たり前じゃないですか?」


そう告げるとリナーシャさんは驚いた様子で頭をあげる。


「オネット様?」


「俺はリーシェに幸せになって欲しい。

だからこそその願い。しかと受け取りました。」

次話はシャロ視点になります。

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