5話『王国との謁見』
私が門扉を跨いで城に入ると。目の前に整えられた
白髪交じりの執事が立っていた。
「お待ちしておりました。リーシェ殿。」
執事の男性は礼儀正しく私に頭を垂れる。
「別にそこまで畏まらなくとも良いわよ。」
「陛下からは丁重に扱うよう言われております故。」
「相も変わらず。忠実ね。」
諦めたように私は溜息を零す。
「それと門番の兵士が貴女様に無礼を働いたよう
ですので。兵士に代わって謝罪致します。」
「別に気にしてないわよ。」
人間達からしたら私は化け物のような存在なのだから。
人間達が私を恐れるのも無理はない。
寧ろ。それが当然の反応だと言えるだろう。
「それよりも。早く国王の元に案内して貰えるかしら?」
「承知しました。」
そう告げると執事は私を先導するように歩き出す。
執事の後に続くように私も歩を進める。それから
数分足らずで国王が居る謁見の間へと辿り着く。
謁見の間に進むと現国王である
クローネ・ヴァン・アルセリアが
玉座に腰を掛けていた。
「朝早くに悪いわね。」
「別に構いませんよ。それよりも。どうかされたの
ですか?」
酷く表情を強張らせる国王に私は言葉を零す。
「今回は個人的な相談だから。そんな気を張らなく
とも大丈夫よ。」
そう告げると国王は肩の力を抜く。
「それで。相談とは?」
「オネットを王立魔法騎士学園に通わせたいの。」
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