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最強勇者の育て親  作者: 明希 光
第二章
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7話『オネット視点:普通の人間』

その言葉にグロードさんは苦笑を零す。


「そのようだね?」


あっさりと負けを認めた彼に俺は思った事を告げる。


「次会えたらまた手合わせしましょう?

()()()互いに本気を出せる場所で。」


「そうだね。でもこれだけは言っておくよ。

今の君では到底勇者にはなれない。」


その言葉に俺は思わず息を呑む。


「どうゆう意味ですか?」


「どうゆう意味も何も。そのままの意味だよ。」


そう言って彼は微笑を浮かべる。


そんな彼に俺は率直な疑問を口にする。


「それは俺が勇者の力を引き出せないからですか?」


その問いに彼は首を横に振る。


「そうゆう事を言ってるんじゃない。

まあ。僕の言葉が理解出来ないうちは

勇者としての資格を得る事は出来ない。

僕から言える事はそれだけだよ。」


まるで。全てを見透かしているような発言に

俺は居た堪れない気持ちになる。


「貴方は何者なんですか?」


そう尋ねると彼は平然と告げる。


「見ての通り。普通の人間だよ?」


「そうですか。」


それだけ言って俺はその場を立ち去った。


午前の試験を全て終えた俺は午後の試験が行われる

まで休憩に入る。


その間俺は指定された教室で早めの昼食を取る。


リーシェの手作り弁当を頬張りながら俺は先程の事を

思い返していた。



――王立騎士団の師団長グロード・シュトラウス。


彼は先程自身の事を普通の人間だと言っていたが。

俺はそう思えなかった。


(あの実力。どう考えても。人間の域を超えている。

そして何より。彼から僅かに人間とは異なる気配を

感じた。)


そう考えれば考える程に彼への不審感が積もっていく。


「彼は一体…」


そうポツリと俺にしか聞こえないような声量で呟くの

だった。







◇ ◇ ◇



【Sideグロード】


それから数時間後。


ようやく全ての生徒の試験を終えた僕は

人気のない校舎の裏庭にて一息付く。


「ふぅ…やっと終わった。」


数百名にも及ぶ生徒の相手した疲れがどっと押し寄せる。


「やっぱり。慣れない事はするもんじゃないな。」


などとそんな事を呟いた。


――その瞬間だった。


「それは申し訳ない事をしたわね。」


そんな聞き馴染んだ声と共に。漆黒のロングワンピース

を身に纏った。黒のミディアムヘアに、宝石のような

黄金の瞳を持つ絶世の美女が目の前に現れる。


そんな彼女の前に立つと僕は静かに(ひざまつ)く。


「お手を煩わせてしまい申し訳ありません。

我が主リーシェ様。」

最後までお読みいただきありがとうございます。


次話もお読みいただけると嬉しいです。


良ければ感想、評価よろしくお願いいたします。

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