43話『オネット視点:腕試し』
突然の申し出に俺は思わず息を呑む。
「つまり。決闘という事ですか?」
「決闘というよりは腕試しじゃな?」
そう返答するゼルドニカさんに俺は戸惑いを隠せずにいた。
「でも俺、ゼルドニカさんが思ってるよりもずっと
弱いですよ?」
「別に儂は強さを求めている訳じゃない。
儂はただお主の可能性を見定めたいだけじゃ。」
そう言ってゼルドニカさんは真っ直ぐ俺を見据える。
「ゼルは貴方のように。可能性に満ち溢れた子や
向上心のある子が好きだから。
貴方の力になりたいと思っているのよ?」
リーシェの言葉にゼルドニカさんは照れ臭そうに告げる。
「お主は儂を家族として接してくれた。
だから儂も家族として。お主の成長を
手助けしてあげたいんじゃよ?」
その言葉に俺は嬉しさが込み上げる。
「ゼルドニカさん。」
「まあ。お主からしたら。余計な世話かもしれんが。」
その言葉に俺は首を横に振る。
「そんな事ありません。寧ろ。すっごく嬉しいですよ?」
そう返答するとゼルドニカさんは嬉しそうに微笑む。
「お主は本当に優しい子じゃな?」
「それはこっちの台詞ですよ?」
そんな会話を繰り広げながら俺達は昼食を食べ進める。
今までは俺とリーシェとリナーシャさんの3人暮らし
だったが。
ゼルドニカさんが新しく家族に加わった事で。
より食卓が賑やかになった。
そんなこんなで。昼食を食べ終えた俺達は、
後片付けをして屋敷の庭へと集まる。
俺の目の前には臨戦態勢のゼルドニカさんが立っていた。
「先手はお主にくれてやる。」
その言葉に俺も剣を抜き、臨戦態勢に入る。
「ならお言葉に甘えて。」
そう言って俺は力強く地を蹴り、ゼルドニカさんに
剣を振り下ろした。
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