39話『ゼルドニカ視点:得体の知れない何か』
リーシェ様の言葉に儂は頷く。
「確かに。儂はあの少年にはあの方と似たものを
感じます。それに容姿や雰囲気も何処となく
似ていますし。」
その言葉にリーシェ様は顔を曇らせる。
「だからこそ心配なの。あの人の二の舞いになって
しまわないか?」
リーシェ様にとってあの少年は我が子のようなもの。
だからリーシェ様が不安に思うのも無理はないだろう。
だが――
「それは心配ないと思いますよ?」
その言葉にリーシェ様は怪訝そうに眉を顰める。
「何故?そう思うの?」
「儂はそう簡単にあの者が死ぬとは思えないんです。」
「その根拠は?」
「儂の勘です。」
その言葉にリーシェ様は呆れ顔になる。
「でもまあ。貴方の勘も一概には否定出来ないのかも
しれないわね?」
「と言いますと?」
「あの子から異様な気配を感じる時があるの。」
リーシェ様の言葉に儂は眉を顰める。
「異様な気配ですか?」
「ええ。言葉では言い表せないのような形容しがたい
異質な気配。まるで。存在そのものが異質のような。
そんな得体の知れない気配。」
その言葉に儂は表情を強張らせる。
「リーシェ様の目を持ってしても。
素性が掴めないとなると。あの少年の力
は相当なものであると言う事ですね?」
その言葉にリーシェ様は首を横に振る。
「あれはオネットの力じゃないわ。」
その言葉に儂は思わず素っ頓狂な声を漏らす。
「えっ…」
呆気に取られる儂にリーシェ様は言葉を続ける。
「あれはオネットの力とは似ても似つかない。
全くの別物よ?」
その言葉に儂は思わず困惑する。
「あの少年の力でないのなら。
その力は一体何なんですか?」
その問いにリーシェ様は顔色一つ変えず淡々と告げる。
「言える事があるとするなら。あの子には――
得体の知れない何かが巣食っているという事よ。」
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