32話『オネット視点:引っ越し』
急遽引っ越す事になった俺達は必要な荷物をまとめる。
そしてまとめた荷物を収納ボックスという名の異次元
空間に放り込む。
異次元空間は空間魔法の一つで。物を収納するのに
便利な魔法だ。
「ふぅ…こんなもんか?」
一通り荷物をまとめた俺は一息付く。
「お疲れ様。」
そう言ってリーシェは紅茶が入ったカップを俺に
差し出す。
「おう。ありがとな?」
そう言って差し出されたカップを受け取る。
「もう少ししたら新しい住居に移動するから。
それまでしっかりと体を休めておきなさい。」
「分かった。」
それから30分程休憩を挟んだ後。
俺達は新たな住居へと移動する。
そこは神聖な雰囲気が立ち込めた神秘的な森だった。
「ここが新たな住居?」
「ここは昔私が住んでた場所なの。だからこうして
ここに来るのは800年ぶりかしら?」
「なっ…800年!?」
リーシェの言葉に俺は愕然とする。
「ですが。状態は以前と変わっていないようですし。
よく管理が行き届いていますね?」
そうリナーシャさんが告げた。その瞬間だった――
『それは光栄だな。』
突如として聞き覚えのない男性の声が響き渡る。
「この声は?」
そう俺が疑問を思った。その直後、森に生える木々
より遥かに巨大な龍が俺達の前に現れる。
「龍!?」
龍は希少価値が高く、ドラゴンよりも遥かに
力がある事から。その土地の守り神や御神体
として重宝されている。
故に実物を見る事は滅多にないのだが。
何故かその龍は俺達の前にいた。
その事実に俺が呆気に取られていると。
その龍はリーシェの前で跪く。
「お久しぶりですね?リーシェ様。」
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