28話『オネット視点:苦渋の決断』
その言葉に俺は思わず嘲笑する。
「はっ…俺がリーシェを殺そうとした奴の手を取る訳
がないだろ?」
その言葉にルセスは笑みを絶やさず告げる。
「別に私はリーシェ様を殺したい訳じゃありませんよ?」
その言葉に俺は眉を顰める。
「だったら何で?こんな真似をした?」
「私はただリーシェ様の望みを叶えてあげようとした
だけに過ぎません。ですので。これは私の意志では
ありません。」
「それがリーシェの望みって。それじゃあまるで
リーシェが死を望んでるみたいじゃ…」
その言葉にリーシェの表情が曇る。
だけど。リーシェは否定しなかった。
その事実に俺は呆然としてしまう。
そんな俺にルセスは告げる。
「この手を取って頂けるのであれば。リーシェ様の
存続に尽力すると約束しましょう。」
「俺にリーシェを裏切れと言うのか?」
「貴方はリーシェ様に生きていて欲しくは無いの
ですか?」
「そんな訳がないだろ!!」
俺は声を荒げる。
俺だってリーシェには生きて欲しい。
でもだからってリーシェを裏切る事なんて――
そう思った瞬間、リーシェを失った時の光景が
フラッシュバックする。
「っ…」
無理だ。リーシェが死ぬなんて俺には耐えられない。
でもそれでリーシェを裏切ったら――
2つの選択肢が俺の中で鬩ぎ合う。
「俺はどうしたら?」
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