26話『オネット視点:底知れぬ怒り』
その言葉に俺は愕然とする。
「なっ…終焉教の副教祖!?」
俺がそう告げると。ルセスと呼ばれた男は興味深そう
に俺を見据えた。
「貴方がリーシェ様の育てた勇者ですか?」
「お前らには関係ない事だろう?」
そう言ってリーシェはルセスを睨む。
「警戒せずとも。別に取って食ったりはしませんよ?」
「お前のような外道の言葉を信用するとでも?」
「貴女の気を逸らせれば。それで充分ですよ?」
そう告げるとルセスはパチンと指を弾く。
するとさっきまでその場にいた大司教達が姿を消す。
「これで邪魔者は居なくなりましたね?」
そう言ってルセスは不敵に笑う。
「捨て駒を律儀に回収するとは。
一体どうゆう風の吹き回しかしら?」
リーシェの問い掛けに対し、ルセスは薄気味悪い笑み
を浮かべる。
「彼らにはまだ利用価値がありますから。ここで殺す
には惜しい。」
「それだけあいつらに価値を見出しているなら。
何故?私の元に寄越した?」
「利口な貴女なら言わずとも理解出来る筈ですよ?」
その言葉にリーシェは苦虫を噛み潰したような表情を
浮かべる。
「つまり。私に終焉の力を使わせて自滅させようとしてた
って訳ね?」
その言葉にルセスは首肯する。
「その通りですよ?」
そんなルセスの返答に俺は苛立ちを覚える。
「何で?そんな真似をした?」
そう問い詰めるとルセスは笑みを絶やさず答える。
「彼女を傀儡として蘇らせる為ですよ?」
そんなルセスの言葉に俺の怒りは頂点に達した。
「ふざけるな!!そんな事の為にリーシェを――」
――殺したのか?
底知れぬ怒りが俺を支配する。
そんな俺に対し、ルセスは怪訝そうに首を傾げる。
「分かりませんね。何故?貴方がそれ程までに私に
憤りを感じて居られるのかが。」
「お前は俺から大切なもんを奪った。
だから俺は何としてもお前を殺す。」
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