25話『オネット視点:格の違い』
その言葉に俺は思わず息を呑む。
「リーシェが俺に?」
「武術を極める上で魂の波動は必要不可欠なものです。
ですので。しっかりと目で見て学んでください。
魂の波動の極意を。」
その言葉と共にリーシェはその場から姿を消した。
「っ…消えた?」
驚く間もなく、大司教達が瀕死の状態で地に倒れた。
一瞬の出来事に俺は開いた口が塞がらなかった。
「一体何が起きて?」
惚ける俺に対し、リナーシャさんは告げる。
「主様は今肉眼では捉えられない速度で距離を詰め、
1秒にも満たない時間で全員を瀕死にまで追い込ん
だんですよ?」
常軌を逸した発言に俺は愕然とする。
「そんな事可能なんですか?」
「魂の波動を極めれば誰にでも出来ますよ?」
そうケロリと言って退けるリナーシェさんに俺は改めて
格の違いを思い知った。
「この人達の常識を人間の常識に当てはめたら駄目だな。」
心から俺はそう思った。
◇ ◇ ◇
【Sideリーシェ】
瀕死にした大司教達は私は静かに見下ろす。
私の拳や蹴りの威力は星すらも容易に砕く。
故に直撃すれば一瞬で肉塊と化す。
だがこいつらは私の大切な家族を傷付けようとした。
だから楽には殺さない。
こいつらには死にたいと思う程の苦痛を味合わせながら、
じっくりと時間を掛けてから殺す。
「楽に死ねると思うなよ?」
そう言ってそいつらに拳を振り下ろそうとした。
その瞬間――
一つの声が響き渡る。
「珍しいですね?貴女がそれ程までに感情を剥き出し
にするのは。」
その言葉と共に翠色の髪と瞳に眼鏡を掛けた男が現れる。
「お前自ら足を運ぶとは珍しい事もあるんだな?
終焉教副教祖ルセス・ドラグニカ。」
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