21話『オネット視点:変化』
手を洗って戻ると食卓には料理が並べられていた。
朝食のメニューは俺の記憶にあるものと同じものだった。
それでも俺がリーシェの料理を 食べないという選択肢
は無かった。
俺は椅子に腰を掛け、手を合わせる。
「いただきます。」
そう言って箸を取り料理を口に運ぶ。
「やっぱり。リーシェの料理は格別に美味いな。」
「そう言ってくれると作り甲斐があるわね。」
「それで話したい事ってのは何だ?」
その問いにリーシェは箸を置き、真剣な眼差しで告げる。
「王立魔法騎士学園に通ってみる気はない?」
勿論。答えはNOだが。リーシェの気持ちを無下には
したくない。
それならと俺は返答を口にする。
「それが俺の成長に繋がるなら。学園に通うのも悪くない
かもしれないな。」
その言葉にリーシェは目を見開く。
「えっ…」
素っ頓狂な声を漏らすリーシェに俺は更に言葉を続ける。
「その代わり。俺が学園を卒業するまでの間。
リーシェは毎日欠かさず、俺に弁当を作って欲しい。」
「それくらいなら別に構わないけど。」
「なら決まりだな。」
即決する俺に対しリーシェは戸惑ったような顔をする。
「本当に良いの?」
「ああ。いつまでもリーシェに甘えてたら。成長なんて
出来ないからな?」
「らしくないわね。」
リーシェは腑に落ちないような表情を浮かべる。
らしくない事くらい自分でも理解している。
だがそれ以上に俺はリーシェに死んで欲しくない。
だったら俺は前回とは違う選択肢を選ぶ。
リーシェに生きていて欲しいと願うのなら――
今までと同じじゃきっと駄目だから。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次話もお読みいただけると嬉しいです。
良ければ感想、評価よろしくお願いいたします。




