19話『オネット視点:制約』
明確に自身の死を感じ取った。次の瞬間――
俺は目を覚ます。すると視界には見慣れた天井が
映っていた。
その光景に俺は思わず目を見張る。
「何で?俺は生きて…」
俺は確かにあの時死んだ。それなのに――
「どうして?俺は生きているんだ?」
イマイチ状況が飲み込めず、混乱する。
「さっきから何を1人で呟いてるの?」
その声に俺は思わず息を呑む。
だってそれは聞ける筈のないものだったから。
俺は期待と不安を胸に恐る恐る声が聞こえた方向に
視線を飛ばす。
するとそこには亡くした筈の最愛の人が立っていた。
「あっ…」
そんな素っ頓狂な声が俺の口から漏れると共に。
俺の中にあった感情が一気に込み上げ、止めどない
涙が目尻から溢れた。
声を押し殺しながら泣きじゃくる俺の体をリーシェは
そっと抱き締める。
「我慢しないで良い。泣きたい時は思う存分
泣きなさい。」
その言葉に俺は泣き叫ぶ。
今でもリーシェを失った光景が脳裏に焼き付いて
離れない。まるで。それが実際に起きた出来事で
あるかのように。
(リーシェなら何か知ってるかもしれない。)
そう思った俺はリーシェにその事を尋ねようとした
その瞬間――
「がっ…」
突如として耐え難い激痛が全身を襲う。
「どうかしたの?」
心配そうにリーシェは問い掛ける。
だが激痛でそれどころじゃなかった俺は返答出来ず、
その場で悶絶していた。
それでも俺は何とか痛みに耐えながら言葉を発する。
「俺は…」
そう言って俺がその言葉を口にしようとした。
その瞬間――
リーシェが指先で俺の口を塞ぐ。
「それ以上は口にしては駄目よ。」
その言葉に俺は思わず息を呑む。
「えっ…」
そんな惚ける俺に対し、リーシェは更に言葉を続ける。
「その事を口に出来ないよう。
貴方に制約が掛けられている。
だからその事を口にしては駄目。」
その言葉に俺は納得したように頷く。
「だから全身に激痛が走ったのか?」
そんな俺の言葉に続くようにしてリーシェは言葉を
紡いだ。
「ええ。そしてその制約は貴方の持つ刻印天賦に
関係しているわ。」
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