16話『終焉の大魔女』
終焉教の大司教。またの名を【七煉郷】
終焉教の最高戦力にして、七つの大罪の一端を権能として
有す最凶最悪の存在。
その為大司教一人一人が国一つを容易に滅ぼせる程の
力を持つ。まさに生きる厄災。
そんな生きる災厄ですら。可愛く思えてしまう程の
化け物がこの世には存在する。
それが他でもない人類の宿敵である魔王だ。
そしてそんな魔王すらも超越した存在が
この私リーシェ・ルーグだった。
しかしそんな私にはとある力があった。
それが文明や歴史そのものを滅ぼし、
全てを破滅に向かわせる【終焉の力】
それはかつて世界を滅ぼした最強最悪の魔王が
持っていた力だった。
それ故に世界は皆私を恐れた。
だからこそ私がどんなに善行を積もうとも世間の評価
は変わらない。
いつまで経っても私は世界を滅ぼす【終焉の大魔女】
のままだ。
だがそれももう今となってはどうだって良い。
ようやく長い夜が明けるのだ。
これ程喜ばしい事は他に無いだろう。
「【終焉の魔眼】」
そう私が言霊を発すと私の黄金の瞳が真紅に染まる。
そして私の真紅の瞳が禍々しい光を帯びる。
その瞬間大司教達全員が一斉に血反吐を吐き、
地面に倒れた。
【終焉の魔眼】は視界に入った生命を根絶やしにする。
故に数分も持たずしてこいつらは絶命するだろう。
だがそれだけでは足りない。こいつらが死ぬだけでは
世界の平和は保たれない。
「ならば。この世から不必要な悪を無くせば良い。
そうすれば。世界は平和になる。」
そう言って私は力の質量を最大にまで跳ね上げる。
「我が命を対価に。この世から不必要な悪全てを
根絶せよ。」
そう私が言霊を発した瞬間。全身の力が失われ、
私は力なくその場に倒れる。
薄れ行く意識の中オネットと過ごした日々が
走馬灯のように蘇る。
「最期に思い浮かぶのが貴女の顔なんてね?」
想いに耽るように私は言葉を零す。
絶望しか無かった私に希望を与えてくれたのは
他でもないオネットだった。
だからこそ――
「心の底から貴方の幸せを願ってる。」
その言葉を最期に私は事切れた。
リーシェが主点ではありますが。あくまでリーシェは
親として子の成長を見守るというポジションなので。
オネットの方が圧倒的に主人公です。




