12話『足りないもの』
その言葉にオネットは呆気に取られる。
「王立魔法騎士学園って確か。この国最高峰の学園だろ?
そんな所に俺なんかが…」
「実績さえあれば。庶民でも通えるから大丈夫よ。」
「だとしても。俺には必要ない。学園に通わずとも。
ある程度の知識は身に付くしな?」
その言葉に私は眉を顰める。
「それじゃあ駄目なのよ。」
「何が駄目だって言うんだ?」
怪訝そうにオネットは尋ねる。
そんなオネットを真摯な瞳で見据える。
「貴方には足りないものがある。」
「俺に足りないもの?」
「ええ。だからその答えを見つける為にも。
貴方には学園に通って欲しい。」
「その足りないものってのが分かれば。リーシェを
守れるようになれるか?」
「それは無理だけど。それを得れば。貴方はきっと
もっと上の高みを目指す事が出来る。」
その言葉にオネットは表情を歪ませる。
「だが俺には勇者としての使命がある。
それに俺はまだ聖剣は愚か、刻印天賦すらも
覚醒していない。そんな状態で呑気に学園生活を
送るなんて出来ない。」
オネットはまだ勇者としては半人前。
だからこそオネットはその現状に焦りを感じている。
「焦って行動しても空回りするだけよ。」
「ならどうしろって言うんだよ!!」
オネットは声を荒げる。
その顔は今にも泣き出しそうだった。
「勇者である前に貴方は1人の人間なの。
だから学園に通う事で。多くの人と知り合い。
人としての在り方を学んで欲しい。そして自分は
人としてどう在るべきなのかを知って貰いたい。」
最後までお読みいただきありがとうございます。
次話もお読みいただけると嬉しいです。
また、気が向いたら感想よろしくお願いいたします。




